先週の中国株ですが、上海総合指数と深セン総合指数、香港ハンセン指数は反発。創業板指数は続伸となりました。上海総合指数ですが、週初の8月14日(月)は午前中に中国の7月の小売売上高が10.4%増<市場平均予想10.8%増、6月実績11.0%増>、鉱工業生産が6.4%増<市場平均予想7.1%増、6月実績7.6%増>と市場予想を下回る経済指標が発表されて前場の株価は伸び悩みましたが、後場には北朝鮮問題に対しての見方に落ち着きを取り戻す兆候が見られたことで、急反発となっています。15日(火)も続伸。トランプ大統領と習近平国家主席の電話会談で北朝鮮問題への懸念が更に後退。市場環境の好転を好感して金融株が上昇して相場を牽引しました。

続く16日(水)は前場に大きく下落する局面もあったのですが、創業板が大きく上昇したことや中央銀行が買いオペレーションを通じて市場に資金を供給したことから下げ幅を縮小し、最終的には小幅安に。17日(木)と18日(金)はテンセントやアリババなどの中国ネット大手企業が中国聯通に出資することが発表され、国営企業に民間の資金を組み入れる混合所有制改革が今後も進展するとの思惑から、混合所有制改革期待銘柄が買われて相場を牽引して上昇。結果として上海総合指数は前週末比1.9%高の3,268.724ポイントで引けています。

一方、香港ハンセン指数も北朝鮮問題への懸念の後退や、急落していた本土銀行株が急反発となったこと、16日(水)の引け後に好決算を発表したテンセント(00700)が上昇したことなどから、17日(木)の始値までは比較的堅調な株価推移となったのですが、その後に一気に上げ幅を縮小しました。この下落については、特に大きな材料は出ていませんが、世界的な株価調整局面が続く中で、利食い売りが先行した様子です。香港ハンセン指数は前週末比0.6%高の27,047.57ポイントで引けています。

今週は特に大きな中国の経済指標の発表はありません。一方で、米韓軍事演習や24日(木)~26日(土)にはジャクソンホールで開催される経済シンポジウムでイエレンFRB議長やドラギECB総裁の講演などがあります。これらの外部材料の動向に中国株も影響を受けそうです。

コラム執筆:戸松信博
(グローバルリンクアドバイザーズ 代表取締役社長)