先週の中国株ですが、上海総合指数と香港ハンセン指数は続伸、深セン総合指数と創業板指数は反発となりました。週間では続伸となった上海総合指数ですが、株価の動きを見ると、狭い値幅で上下に振れており、概ね横ばいといった印象です。週初の24日(月)は21日(金)に引続き利食い売りが出やすい展開となり、始値は反落からのスタートとなりましたが、中国人民銀行(中央銀行)が公開市場操作を通じて市場に資金供給を行ったことが好感され、徐々に切り返して反発。しかし、25日(火)は中国人民銀行が国内金融市場のトレーディング規制強化を目指す考えを明らかにしたことが市場心理を悪化させて小幅反落となりました。

26日(水)は中国人民銀行の市場への資金供給が止まったことなどから、最初はマイナス圏で推移していたのですが、銅価格の上昇から非鉄金属株が強い動きとなったことや、中国の金利水準が緩やかな上昇傾向となっていることが評価されて、銀行株が買われて小反発。27日(木)も前場は軟調な値動きだったのですが、創業板指数が日本時間で午前11時30分頃から急反発となり、この好影響を受けて上海総合指数も切り返して小幅続伸。28日(金)も小幅続伸となり、結局、上海総合指数は前週末比で0.5%高の3,253.240ポイントで引けています。

一方、香港ハンセン指数は欧米市場の堅調な株価推移の流れを受け継ぎ、週を通して緩やかではありますが堅調な株価推移が続いた印象です。米国FRBのイエレン議長の景気動向に配慮した金融政策を採る内容のコメントなどから、米国の金利先高感が後退して、ドルインデックスが下落しており、これが新興国株全体の追い風となっていることもプラスでした。特に香港は通貨(香港ドル)を米ドルとペッグしているため、米国の金利とドルインデックスの動向に大きな影響を受け、米国の金利低下やドルインデックスの下落は株価にプラスです。結局、香港ハンセン指数は前週末比1.0%高の26,979.39ポイントで引けています。

今週、発表される中国の経済指標ですが、まず、31日(月)に7月の中国公式製造業景況感指数が51.4と発表されました<市場平均予想51.5、6月実績51.7>。市場コンセンサスに近い数字であったことから、株価は特に大きく反応していません。8月1日(火)には7月のCaixin中国製造業景況感指数が発表される予定で、この数字が市場平均予想以上なら中国本土株は一段高が期待できると思います<市場平均予想50.4、6月実績50.4>。一方の香港ハンセン指数は引き続き欧米市場の動向とドルインデックスの影響を受けると思われますが、先週同様、ドルインデックスの下落傾向が続けば、堅調な上昇の継続が期待できるものと思われます。

コラム執筆:戸松信博
(グローバルリンクアドバイザーズ 代表取締役社長)