ボツワナと云うとかつてH大臣が、その格付よりも日本の格付が下がったことで文句を云い、不評を買ったことで有名です。実際未だにムーディーズによると、ボツワナの格付(自国通貨建・長期)はA1で、日本のそれはA2です。
ボツワナがどういう国であるか、一般にはあまり知られていません。私も殆ど知りません。しかしふと、面白い話を聞きつけました。ボツワナ大使館のホームページによると、『ボツワナは、取引額で世界最大のダイヤモンド生産国です。また世界で最も、その経済をダイヤモンドに依存している国でもあります。ダイヤモンドによる収入は、輸出額全体の4分の3、GDPの3分の1、国の歳入のおよそ50%を占めています。』とあります。世界のダイヤモンド生産額の約25%がボツワナです。
そのボツワナが、ダイヤモンド・ビジネスに於ける圧倒的な存在であるデビアスと、興味深い契約を成立させました。今後デビアスの製品製造工場をボツワナに移し、ボツワナ産に限らず、南アやカナダで採掘されている全てのダイヤ原石をボツワナ工場に持ち込み、そこで加工して、また世界中に輸出するというものです。
デビアスとしては、安定的なダイヤ原石の供給を確保したく、ボツワナとしては、ダイヤをネタに、自国に技術や貿易を定着させたいのでしょう。小国と侮る事なかれ、とても戦略的です。格付が比較的高いのも、どこか頷けますね。