あけましておめでとうございます。

今年は戌年です。犬は多産で、安産のお守りになるくらいですから、「生産」や「繁栄」を連想させます。日本経済や株式市場、延いては個人投資家の皆様にとって、きっとよい年になると願っています。

皆様は正月はどのように過ごされたでしょうか。私は一生の中で、正月に出掛けたことは一回ぐらいしかありません。今年も「食っちゃあ寝」を繰り返して、たった4日間で2キロも太ってしまいました。但し今日から仕事が始まるので、急速に元に戻ることでしょう。さて、年末・年始は毎年同じパターンで行動します。大晦日はいつも氏神様を訪れ、形代(かたしろ・ひとがた)を頂いて大祓(おおばらえ)をします。元日はやはり氏神様に行き、初詣をし、おみくじを引きます。私はおみくじを引くのが好きで、毎年一年間でかなりの本数を引きます。一般には存在しないと思われている或るくじも、今迄に2回引いたことがあります。

おみくじには冒頭に和歌が書いてありますが、もっとも印象に残っているのは8年ほど前に根津神社で引いたものでした。確か、2月か3月の寒い日に引いたおみくじです。
「袖ひちてむすびし水のこほれるを春立つけふの風やとくらむ」
紀貫之が立春に詠んだ歌です(古今集春歌上、二首目)。と、ここまで書いて、なんと一年前の発会の日にもこの歌のことをつぶやいていたことに気が付きました。(以下、2005年1月4日つぶやきから引用)・・・
「(夏の頃に)袖を濡らして手に掬った水は今は凍っているが、立春の(暖かい)風が解かしていることだろう。」という意味です。何年か前に根津神社で引いたおみくじにこの歌が書かれおり、その時に注いでいた春の光の眩さの中で、この歌から希望を感じ取ったことを鮮明に覚えています。復活・再生・始動していく春の兆しを素敵に詠んだ歌で、新春というと真っ先に思い出します。・・・(引用、ここまで)
自分のことで恐縮ですが、毎年この時期になると思いだしてしまうというのは、余程この歌が好きなのか、忘れっぽくなってきているのか、どちらかでしょう。しかし今年ほど、この歌に相応しい新年はないのではないでしょうか。長い、冬のような低迷期を超えて、日本経済は今、春のように暖かく、鮮やかに彩られた好景気に入っていこうとしています。

2006年が皆様によい年でありますように!