オーナーとはオウンする人、即ち「所有者」と云う意味です。
プロ野球の仕組みには詳しくないのですが、オーナー、球団代表者、等々、色々あり、複雑怪奇で良く分かりません。そもそも今回のプロ野球界の騒動は、少なくとも私にとっては疑問が一杯です。
売却先が見つからないから合併せざるを得なくなったというバッファローズを是非買いたいという会社が出て来たのに、オーナー達は無視、もしくは不快感を表明する。新しく球団のオーナーになるには30億円掛かると云いますが、そのお金は何に使われるのか、どうも判然としない。終いに意見交換を求める選手会長の古田に対して、ナベツネ氏が「無礼なことをいうな。分をわきまえなきゃいかんよ、たかが選手が。」(夕刊フジより)と発言したと云います。バッファローズの試合では、堀江コールが沸いているとも聞きます。選手とファンあってのプロ野球の筈です。選手をバカにし、ファンを無視し、若者からの参入を阻害し、そんなことで人気を維持できるでしょうか。「オーナー」という言葉には、極めて封建的な匂いが強くします。ノブレス・オブリージと云う言葉がありますが、オウン仕切れなくなり、右往左往して、オーナーとしてすべきこと<オブリージ>が出来なくなっている彼らは、果たして真のオーナーなのでしょうか。プロ野球チームのMBOなんて出来たら面白いでしょうね。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。