今日の東京は20度を超す5月下旬並の暖かさで、上野の山では桜が開花し始めたそうです。年々開花が早まっているような気がしますが、今年も香具師の皆さんはこの「早すぎる開花」に翻弄されるのでしょうか。桜と云えば、向島長命寺の桜餅を食べて、言問橋から白髭橋の間辺りを歩きたいものですが、桜が咲いている時には何故か中々行けないものです。町は春満開といった趣が出てきましたが、株式市場も春一色です。本日、円高も関係なく内需関連を中心にマーケットは上昇し、TOPIXは昨年来の高値で引けました。このままずっと上がっていって欲しいと思うのは、誰も一緒でしょう。そして春がずっと続いて欲しいと思うのは、平安の頃から変わっていません。
「今年より 春知りそむる 桜花 散るといふことは ならはざらなむ」(古今集、春歌上、紀貫之)
初めて春を知った桜よ(注:桜は毎年咲くけれども、その花自体にとっては初めて咲いたことになる)、散ると云うことは覚えないでおくれ。まぁそんな意味でしょう。「いずれ終わる」ということと、「若々しさ」は、実は裏腹の関係にあるのかも知れません。でも、春はまだ始まったばかりですね!
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
-
ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。