かつてシカゴにあったトレーディング・ハウス、オコナーの話は随分前につぶやきで書いたことがあります。オプション理論の生みの親、フィッシャー・ブラックから聞いた話なのですが、オコナーでは毎日、一日の終わりにトレーダーのポジションを全て会社が召し上げていました。トレーダーは毎朝会社に来ると、一切のポジションがなく、自分がその前の日に下した判断に一切囚われることなくトレーディングが出来た訳です。大きなマーケットの中で、いちトレーダーの昨日の判断や、持ち値などに意味がある筈がありません。頭では分かっていても、やはり人は自らの過去の判断にこだわってしまいます。しかしこれは何もトレーディングだけのことではないでしょう。政治家も然り。過去の判断には責任を持たなくてはいけませんが、そのことと過去の判断に拘束されることとは違うと思います。