先日の『国債スペシャル』に書きましたが、私は元々債券オタクです。債券は発行体によって信用力も違いますし、満期とか利子という時間軸を伴った要素もありますから、とても複雑です。債券数理という言葉がありますか、実際数学科や物理科出身の人も多く働いていました。私は金利派生商品や裁定取引といった、債券部の中でも比較的複雑なものを扱っていたので、「債券部は株式部と比べてもとても理知的で科学的である」というイメージを当然のものとして強く持っていました。ところが或る日アメリカ育ちの友人と話していたら、私が債券部出身と知って、「随分乱暴で品のない場所で働いてきたんだね」という印象を語りました。彼の常識ではウォール・ストリートの債券部というと下品な言葉の飛び交う、野蛮な場所なのだそうです。人の常識とは斯くも個性があり、違うものなのかと思い知らされました。今では株式も債券も扱った訳ですが、結局どちらもそれぞれの複雑さがあり、どっちが科学的とかではなく、ただ「違う」ものなのだと思っています。

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