今日は納会です。例年通りいろいろなことがあった年ですが、あまり前進した印象がありません。一昨年の納会はまだ森政権でしたが、去年の納会までに小泉政権に変わり、巳年の一年は「何かが変わる」という期待感がありました。しかしこの馬年の一年間は、金融・経済構造については議論ばかりが行なわれ、結局具体的な前進は中々認められませんでした。政治改革も幾人かの議員を辞職に追い込むという後ろ向きな動きだけで、制度改革のような前向きの動きは殆どありませんでした。世界情勢は目まぐるしく変わっていく中で、我々日本だけは一年間を無駄に過ごしたような、そんな喪失感と焦燥感があります。残念ながら、これは当社マネックスについても同様です。いろいろなことに翻弄された一年でした。年末が差し迫っても、新証券税制・特定口座の対応で一部のお客様にも御迷惑をおかけしてしまい、私たちも昼も夜も平日も週末もなく対応に追われたため、全く季節感のないまま納会を迎えてしまいました。しかしそのような状況を切り拓いていくのは、誰でもなく私たち自身です。来るべく羊年を明るい一年にすべく、今日(納会)は鬱積した一年を洗い流したいと思います。
本年は誠にありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、その後代表執行役会長。2025年4月より会長(現任)。東京証券取引所の社外取締役を5年間務め、政府のガバナンス改革会議等に参加し、日本の資本市場の改善・改革に積極的に取り組んで来た。ヒューマン・ライツ・ウォッチの副会長を務め、現在は米国マスターカード・インコーポレイテッドの社外取締役。東京大学法学部卒業。