東証の、昔立会場のあった所の北東の隅の方に各テレビ局のブースがあります。よくテレビなどに出てくるガラス張りの丸い筒のすぐ隣です。そこへ行く為には、巨大金庫の扉のような、それは大変立派で厳重な趣の金属製のドアを開けて中に入っていくことになります。昨日もそこに行ったのですが、ドアを開ける為にはカード・キーをリーダーに差し込んで上から下に降ろさなくてはなりません。この鍵が中々開かないのです。テレビ局の人が何度やっても失敗してしまいます。自転車のライトは速くこぐほど明るくなるように、物理の法則で考えると、ゆっくりカードを降ろすよりも速く降ろした方が電圧が高くなって鍵のシステムが働く気がします。試しに速く降ろしてみたら、やはり一発で鍵は開きました。自然科学はこんな風にどこでも実験が出来ますし、常に規則的な仮説と結果の関係があるのでとても分かりやすいものです。マーケットや政治も同じ様な規則性があるともっと簡単に問題を解決できるのですが、それがない所が妙味なのでしょうか。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。