東京都は大道芸人にライセンスを与えるべく、明日からオーディションを開始します。今まではいろいろな理由で街頭での活動が制限されていたので、きちんとライセンスを与えて、その替わり大手を振ってパフォーマンスして貰おうという趣旨だそうです。石原知事は「新しい東京の名物になると思う」と言っているそうです。しかし使える道具や場所などにもいろいろと制限があり、細かい経緯や本当の理由は知りませんが、体のいい事前検閲のような制度ではないかという危惧があります。小沢昭一さんらが、『大道芸に造詣が深い』ということで審査員を務めるそうですが、大道芸などは自由で生きた芸であって、誰かが予め審査するなんて、どこかおかしい気がします。大道芸は伝統的な決まり手もあるでしょうが、基本的な性質はその場その場或いはその時代その時代に合わせた即興的なものであり、また脱秩序的なものではないでしょうか。この制度の導入については賛否両論のようですが、私は下らない考えだと思います。私だったら公認大道芸人よりも、無認可大道芸人の方を断然応援します。だって公認大道芸人なんて、アナーキーの公務員みたいですよね。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。