【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 52,215.16 ▼652.82 (10/23)
NASDAQ: 25,955.34 ▼53.52 (10/23)
1.概況
23日の米国市場では、ダウ平均とS&P500種株価指数、ナスダック総合株価指数がそろって下落しました。
米国・イスラエルとイランの軍事衝突を巡る警戒感が根強いほか、イエメンの親イラン武装組織であるフーシによるサウジアラビアに対する攻撃が中東情勢の悪化につながるとの懸念もあり、原油価格に押し上げ圧力がかかりました。また、決算発表後に株価が軟調に推移する銘柄もみられました。
ダウ平均は52,696ドルで寄り付いた後、取引序盤に大きく値を崩す展開となりました。その後、下げ幅を縮める場面もみられたものの、52,440ドル付近までの戻りにとどまりました。取引後半にかけては弱含みで推移し、結局、652ドル安の52,215ドルで取引を終えました。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は53ポイント安の25,955ポイント、S&P500種株価指数は39ポイント安の7,623ポイントといずれも下落しました。
2.経済指標等
米国で発表された10月のミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)は48.0と速報値(46.3)並みにとどまるとの市場予想を上回り、上方修正されました。
3.業種別動向
23日の米国市場でS&P500の業種別株価指数は11業種中3業種が上昇、8業種が下落となりました。上昇した業種は、エネルギーが2.5%高、情報技術は0.4%高、不動産が0.2%高と続きました。一方、生活必需品は1.8%安、一般消費財・サービスやコミュニケーション・サービスが1.4%安と下落しました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では6銘柄が上昇しました。シェブロン[CVX]が2.9%高と構成銘柄における上昇率トップ、続いてシスコシステムズ[CSCO]が1.5高、ハネウェル・インターナショナル[HON]は1.3%高となりました。一方、24銘柄が下落し、アメリカン・エキスプレス[AXP]が3.7%安となりました。23日に発表した2026年第3四半期決算で、売上高が市場予想を下回ったことなどが悪材料視されました。その他では、プロクター・アンド・ギャンブル[PG]やコカ・コーラ[KO]が2.8%安、ナイキ[NKE]が2.7%安と消費関連銘柄の軟調さが目立ちました。
ダウ平均構成銘柄以外では、サイバーセキュリティのクラウドストライク・ホールディングス[CRWD]が8.3%高、ネットワークセキュリティを手掛けるパロ・アルト・ネットワークス[PANW]は7.2%高となりました。人工知能(AI)の進化・普及に伴いサイバーセキュリティに関する警戒感が広がっているうえ、プログラミング言語・PHPの脆弱性を巡る懸念も高まっており、サイバーセキュリティ関連銘柄が堅調に推移しています。この日、クラウドストライク・ホールディングスの経営陣は、PHPの脆弱性により今後数ヶ月で多くの侵害を目の当たりにするだろう、との見方を示しました。
また、油田サービス事業会社のSLB[SLB]は7.1%高となりました。同社が発表した2026年第3四半期決算では、売上高、1株あたり利益(EPS)ともに市場予想を上回りました。同社の経営陣は「データセンター業界向けの産業技術パートナーとしての地位を強化し続けており、この急成長市場での関与を拡大し続けている」との認識を示しました。地域別では中東での緩やかな回復や北米での堅調な成長についても指摘されました。
一方、発電設備メーカーのブルーム・エナジー[BE]は11.2%安と急落しました。同社が発表した2026年第3四半期決算では、売上高・EPSともに市場予想を上振れました。ただ、同時にフリーキャッシュフローがマイナスに落ち込んだことも明らかになり、先々のキャッシュフローについても懸念する声が聞かれました。
5.為替・金利等
長期金利は、前日比0.04%高い4.99%となりました。26日朝のドル円は157円ちょうど付近で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
日経平均株価は相場における買われ過ぎ、売られ過ぎを示すRSIが35台と売られ過ぎの基準とされる30に近づくなどテクニカル面での短期的な割安感も徐々に出てきており、買い向かう動きも出てくるものとみられます。
今週は28日にアルファベット[GOOGL]やマイクロソフト[MSFT]、29日にはアマゾン・ドットコム[AMZN]の最新決算発表が予定されています。投資家は各社の決算において投資がさらに拡大するのか否かという点やAI関連投資の収益化に向けた進捗と今後の道筋を見極めることとなりそうです。
他方、27、28日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)については政策金利の据え置きがほぼ織り込まれています。先々の追加利上げペースが焦点とみられ、この意味では29日に発表される9月の個人消費支出(PCE)価格指数がより重要かもしれません。市場では前年比3.6%上昇と前月(同3.4%)からの加速が予想されており、米国債利回りに押し上げ圧力がかかれば、株式相場の重しになり得ると考えられます。政治面では、10月27日のイスラエル総選挙や11月3日の米中間選挙が近づいています。株式相場は短期的な反発地合いとなる局面も想定されますが、複数の懸念材料を背景に目先は戻りの鈍さが残る可能性があります。
(マネックス証券 シニア・アナリスト 齊藤 聡)
