2026年は酷暑と豪雨の夏
9月になりました。にぎやかだったセミの声が徐々に遠くなってゆき、過ぎゆく夏を惜しんで夕焼けの空の下で虫の音が聞こえてきます。2026年の夏は前半が「酷暑」、後半は「豪雨」、2つの言葉で言い尽くせるように思います。
気象庁が2026年6月から8月までの3ヶ月間の天候をまとめました。6月から8月の平均気温は平年を1.02度上回って「観測史上5番目」の暑さとなりました。
2024年、2025年と記録的な暑さに見舞われてきた日本列島は、2026年も暑い夏を覚悟していました。最高気温が40度を超えた「酷暑日」は全国で36地点にのぼり、やはりそれなりに暑い夏となりました。とりわけ西日本で暑さが厳しく、7月中旬から下旬にかけてと8月下旬には、西日本の平均気温が過去最高を記録しました。
地域社会に甚大な被害をもたらした集中豪雨
また、2026年の夏は後半の「大雨」が印象に強く残っています。6月から8月にかけて、台風が17個も発生し、平年の11個を大きく上回りました。エルニーニョ現象の影響が指摘されています。
東北地方や西日本の日本海側では晴れる日が多かったのですが、日本の南側や東日本の太平洋側、沖縄・奄美では雨が多く降りました。
中でも、お盆休みの8月13日から14日にかけて千葉県北部で発生した記録的な大雨が挙げられます。後に「千葉豪雨」と称される災害級の被害が発生しました。この日、房総半島付近には台風15号の影響もあって暖かく湿った空気の上に強い寒気が流れ込み、巨大な積乱雲が次々と発生しました。積乱雲の高さは15キロメートルにも達し、大規模な線状降水帯が長時間にわたって千葉県に豪雨をもたらしました。
千葉県だけではなく、九州南部、伊豆諸島、東北地方にも相次いで「レベル5土砂災害特別警報」が出されました。集中豪雨は、山間部では土砂崩れや道路の寸断を、都市部では車両やアンダーパスの水没、高架線の破損を引き起こし、交通手段を遮断します。
どの地域でも現在の治水環境では対応できないほどの雨が短時間で降り、それが地域社会に甚大な被害をもたらします。2026年の夏は社会全体が、過去に経験のないほどの豪雨に見舞われました。
自治体も対応策を模索し始めたばかりですが、「自助・共助・公助」のうち、自然災害は全国どこでも起こりうる一方で、公的な支援はどうしても後手に回りがちです。「自助」と「共助」の必要性が高まっていることを痛感します。
豪雨をはじめ、災害に備える防災関連銘柄4選
帝国繊維(3302)
消防ホースの国内最大手。消防ホース、防災用特殊車両、消防服を主力とするほか、電動油圧救助器具「ルーカス」シリーズや救助用チェーンソー、高所から飛び降りる際の空気式救助マット「ジャンプバッグ」など防災機材を多数取り扱う。時価総額は830億円と比較的小規模ながら、旧安田財閥系に属する名門企業。創業事業である麻糸、麻生地などの繊維事業から、難燃性繊維の開発を経て、現在の防災関連製品へと事業を転換していった。森林火災の多発により、基盤である消防事業が緩やかに拡大している。
文化シヤッター(5930)
シャッター業界では第2位。住宅やオフィスビルをはじめ、商業施設、工場・倉庫向けのシャッターを製造、施工、アフターサービスまで手がける。ドア、間仕切り、エクステリアも開発し、メンテナンスとリフォームを強化。防災・環境製品の開発にも注力している。都市型水害に備える浸水対策製品として、止水パネルシャッター「アクアフラット」、止水板付き重量シャッター「アクアボトム」などを多数開発。2030年を見据えた長期事業計画では、ROEとPERの向上を図り、株価3,000円超を目指している。
日本基礎技術(1914)
大阪に拠点を置く基礎工事の専業大手。基礎技術としては「削孔(ボーリング)」と「注入(グラウチング)」を得意としており、そこから環境、防災、補修・保全を事業の基軸に据えている。官公庁向けが6割近くを占め、法面保護、アンカー、環境保全工事に強い。大雨、洪水への対策として、法面吹付工法や地山補強土工法、地盤改良のための薬液注入工法、高圧噴射攪拌工法の需要が高まると期待される。スタンダード市場に上場しているためか、自己資本比率64%と高い割に、PBRは0.60倍と低く抑えられている。
コーナン商事(7516)
ホームセンターの大手。ドミナント戦略で販売エリアを拡大し、M&Aにより首都圏にも本格進出した。通常のホームセンターに加えて建築職人を対象とした「PRO」業態も展開する。木材、ブルーシート、工具などの防災関連グッズが堅調。2027年2月期・第1四半期の売上高営業利益率は7.2%に達する。岐阜県を中心に中部地域で展開するスーパーのバローホールディングス(9956)と資本・業務提携。2028年2月期までの中期経営計画では、売上高で5600億円(現在5190億円)、営業利益で290億円(同223億円)、総還元性向40%を目標に掲げる。
