今日はフィラデルフィアでの仕事を無事終え、夕方からロサンジェルスに移動しました。フィラデルフィア空港を発つ時にひどい雷雨となり、1時間半ほど出発が遅れました。ようやく離陸し上昇して雨雲を突き抜けると、当然綺麗な青空が拡がるのですが、ふと気付くと窓の左の方に大きな大きなマフィンのような積乱雲が雨雲の上にくっついていました。そしてその積乱雲の中でバチバチと凄まじい明るさと規模で雷が光っていました。線状ではなく、大きな雲の内側の4分の1ぐらいの部分がまるで爆発するかのように光るのです。
生まれて初めて雷の発生現場を見ましたが、あれは恐い。どう見ても誰か(雷神様かマグマ大使に出て来る悪役か)が中にいて、怒りのために暴れ狂っているという感じです。ところが不思議なことに私の知識では、雷はあまり「神様」扱いされていません。ギリシャ神話などの西洋物でも古事記などでも、あまり強大な雷の神様の話は聞いた覚えがありません。古今集などでも、天の原ふみとゞろかしなる神も 思ふ中をばさくる物かは (読み人知らず)というような、恋愛の小道具的には詠まれているのですが、「畏怖」の念を持ったような歌は見当たりません。何故でしょう?あまりにも鋭く激しいので、かえって神様的でないのでしょうか。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
-
ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。