下向きの5日移動平均線上を回復できるか
前回のコラム「引き続きトレンドラインとモメンタムが下落を示唆、そのシグナルとは?」では、トレンドラインに押し返された8月18日までの日足チャートを用いて解説しましたが、19日以降も下落が続き、25日移動平均線と75日移動平均線の両方を終値で下回る場面がありました。ただそこからは売り込む動きは見られておらず、8月25日の取引時間中に一時65,000円を割り込みましたが、短い下ヒゲを形成するとともに下向きの5日移動平均線と25日移動平均線の両方を上回って終えています。
このように移動平均線と株価の位置関係を見ますと、5日移動平均線を上回っているものの緩やかな上向きを続ける75日移動平均線に届いておらず、底入れとは言い難い状況です。そこで今後の展開を考える上で注目されるのが、5日移動平均線を上回る水準を維持できるかどうかです。
仮に5日移動平均線を上回る水準を維持できれば、5日移動平均線が下向きから横ばいや上向きに変化する可能性が考えられるほか、75日移動平均線を上回ることも視野に入ってくるのではないかと思われます。
またそうなれば、25日移動平均線も横ばいから上向きに変化して、上昇トレンド入りの可能性が高まりますが、逆に5日移動平均線を下回ったまま戻せなくなると、25日移動平均線を下回り、5日移動平均線が25日移動平均線を下回る可能性があり、下降トレンドの発生に注意が必要です。
※移動平均線の期間は5日(青線)、25日(赤線)、75日(グレー線)で設定
※出来高はプライム市場
※モメンタムの期間は10日(青線)で設定し、モメンタムの3日移動平均線(赤線)も表示
25日移動平均線から下放れた場合はサポートラインに注目
では、下降トレンドが発生した場合、サポートはないのでしょうか。仮にサポートがなければ、200日移動平均線に接近してもおかしくありません。しかし、これまでの値動きからサポートラインを引くことができます。このサポートラインは、3月31日と7月29日の終値を結んで延長した線です。株価が5日移動平均線と25日移動平均線を割り込んで戻せなくなった場合のサポートラインになります。
したがって、仮に5日移動平均線と25日移動平均線を下回って戻せなくなった場合でも、このサポートライン上で下げ止まれば、もち合いのなかで推移しているため、反発の期待が残ります。その一方、仮にこのサポートラインも割り込んで戻せなくなる場合は、7月29日に付けた安値に接近したり、割り込んだりする可能性が考えられます。そのため、リバウンド狙いの買いは控えるか、下げ止まりを確認してから行う必要があります。
モメンタムの方向と水準が今後の動向を示すカギ
上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見ると、モメンタムとその移動平均線であるシグナルは、いずれも上昇と下落の分かれ目となる0ラインを下回って推移しています。そのため今後は、2本線の方向と水準が注目ポイントになると思われます。仮に2本線が下向きを続け、さらに低下するようですと、下落の勢いが強まり、サポートラインを下放れて割り込むことが視野に入る可能性があります。
一方、下向きのまま低下しても限定的だったり、横ばいから上向きに変化して0ラインを上回ったりすると、上昇の勢いが強まる可能性があります。その場合は、5日移動平均線上を上回る水準を維持し、75日移動平均線も上回る展開が考えられます。
今週(8月24日週)はエヌビディア[NVDA]の決算やウォーシュFRB議長の講演を控え、様子見ムードが広がっています。結果を受け株価が動き出す局面では、損失が発生したり、拡大したりしないよう慎重に対応したいところです。
