TMTGは自由なBTC(ビットコイン)を全移動か?7月のリスクオンラリーに警戒

オンチェーン分析会社Lookonchainによると、この週末、トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(TMTG)関連とみられるウォレットから2,628BTCがCrypto.com関連アドレスへ移動しました。移動時点の価値は約1億6500万ドル、円換算でおよそ260億円です。

ただし、取引所への送金は売却準備を示唆する一方、オンチェーン上の移動だけで売却完了を断定することはできません。カストディ先の変更や担保管理などの可能性もあるため、現段階では「追加売却の可能性がある」と捉えるのが妥当でしょう。

今回、より注目したいのは、移動後の推定残高が約4,261BTCまで減少した点です。TMTGの2026年1-3月期Form 10-Qでは、3月31日時点で9,542.16BTCを保有し、そのうち4,260.73BTCを転換社債の担保として差し入れていたことが開示されています。このBTCは契約条件を満たすまで分配・引き出しが制限され、遅くとも転換社債の満期である2028年5月29日まで制約が続く内容です。

つまり、現在のオンチェーン推定残高が正しければ、自由に動かせるBTCをほぼすべて移動し、手元には担保として拘束されたBTCだけが残った可能性があります。これは売却を確定させる証拠ではありませんが、単なる利益確定ではなく、資金需要やリスク管理上の事情を疑わせる材料です。

中東情勢を巡る発言も短期間で変化し、市場のヘッドラインへの反応は徐々に鈍化しています。8月は参加者減少で流動性が薄くなりやすいため、7月のリスクオン・ラリーの反動には警戒したいところです。

円高も拍車をかけ、BTC(ビットコイン)は下値更新へ

BTC/JPY日足チャート:下落トレンドを意識しやすい形状

BTC/JPY日足チャート分析です(図表1)。週末から8月3日朝にかけて、日米当局による協調円買い介入が実施され、米ドル/円は急落しました。BTC/JPYはBTC/USDの値動きに加えて為替の影響も直接受けるため、円高局面ではドル建て以上に下値を模索しやすい展開となります。
MACDはデッドクロスし、ヒストグラムもマイナス圏で拡大していることから、再び下落トレンドを意識しやすい形状です。

【図表1】BTC/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

本コラムでこれまで述べてきた通り、8月からは戻り売りを軸に考えていました。想定よりやや早いものの、ここから段階的に売り場を探していきます。保有していたロングポジションはいったんすべて手仕舞いし、当面は反発局面での戻り売りを待つ方針です。

目先は950万円付近を意識し、直近安値の更新を試す展開を想定します。ただし、急落直後に下値を追うのではなく、短期的な反発を待ってエントリーしたいところです。

米ドル/円は先週(7月27日週)の164円近辺から155円近くまで下落し、円は対ドルで約5.5%上昇しました。単純計算では、BTC/USDが横ばいでも、この為替変動だけでBTC/JPYは約5%押し下げられます。ドル建てBTCのチャート形状も悪化しているため、BTC価格の下落と円高が重なることで、円建てでは下値を切り下げる可能性が高いと考えます。

BTC/JPY4時間足チャート:戻り売りトレード開始

BTC/JPY 4時間足チャート分析です(図表2)。

戻りの目安は1000万円付近です。SMA30(黄色)が低下し、価格は主要移動平均線の下側で推移しているため、下落トレンドが加速しやすい形状となっています。現状水準から1000万円付近までを戻り売りゾーンとし、一度に売るのではなく、段階的に売り上がる戦略を考えます。

【図表2】BTC/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

一方、MACDでは価格との間に強気のダイバージェンスが形成される可能性があり、安値更新後に短期反発へ転じるシナリオも想定されます。このまま下落した場合は下値を追わず、週後半まで戻りを待ってからエントリーする方が無難でしょう。

ETH(イーサリアム)はSMA200をバックに戻り売り

ETH/JPY 4時間足チャート分析です(図表3)。BTCと同様に、直近安値の更新を試しそうな弱い形状が出現しつつあります。

【図表3】ETH/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

SMA200(橙色)が上値抵抗として機能しており、SMA30(黄色)も切り下がっています。今後、SMA30がSMA200を下抜けるデッドクロスが発生すれば、両移動平均線が戻り局面のレジスタンスとして意識されやすくなります。

その場合はショート目線を維持しやすい地合いとなるため、週後半の戻りの弱さには特に注目したいところです。

目先の重要なサポートラインは28万4000円付近です。ここを明確に割り込むと、7月初旬の安値付近まで下値を伸ばす可能性があります。BTCと同様に、安値を追いかけるのではなく、反発局面を待った戻り売りを軸に考えます。

今週(8月3日週)の暗号資産(BTC・ETH)動向のポイント

・TMTG関連とみられるウォレットから2,628BTCがCrypto.comへ移動したが、オンチェーン上の移動だけでは売却完了を断定できない。
・移動後の推定残高約4,261BTCは、同社が転換社債の担保として開示した4,260.73BTCとほぼ一致している。
・自由に動かせるBTCをほぼすべて移動し、担保で拘束されたBTCだけが残った可能性があり、資金需要やリスク管理上の事情が意識される。
・日米の協調円買い介入でドル円が約164円から155円近くまで下落し、円高がBTC/JPYの下押し圧力を強めている。
・BTC/JPYは950万円付近、ETH/JPYは28万4000円付近が目先の焦点。急落後の安値追いは避け、戻りを待った売り戦略を優先したい。