実績分配金は増配基調を維持
J-REIT価格は2026年1月中旬から6月初旬まで続落となった。東証REIT指数は2026年1月16日の2,057ポイントが年初来高値であり、6月8日には取引時間中に1,740ポイントまで下落した。その後の価格は反発し7月以降は1,800ポイントを超えて推移している。
価格は下落基調だが、業績面では堅調に推移している。J-REITの決算期は株式市場と比較すると分散しているが、1月/7月決算と2月/8月決算の銘柄が大半を占める。1月決算期の銘柄は3月中旬、2月決算期の銘柄は4月中旬に決算実績の公表を行うが、分配金は増配基調を維持していたものの、価格は下落した。
これらの決算期銘柄を含む2025年度下半期(2025年10月期から2026年3月期)の前年度同期比(※1)の実績分配金は2.6%増配となっていた。2025年度上半期の5.7%増配と比較すると減速はしている(図表1)が、前述の通り、価格の下落は業績の影響によるものではないと言えるだろう。
賃貸収益も増配に寄与
さらに増配を支える要因として、物件売却益及び売却益を原資とする内部留保の取り崩しだけでなく、賃貸収益の増加も寄与している。図表1では、1口当たりの賃貸収益(※2)を前年度同期と比較しているが、増加基調となっている。
1口当たりの賃貸収益を比較しているため、既存物件の収益拡大だけでなく、各決算期に取得した物件の収益(いわゆる外部成長)寄与も影響する。物件取得額の増加額について図表1の時期にあわせて見ると、図表2の通り、2025年度から外部成長率を超える賃貸収益の増加(内部成長)となっている。
賃貸収益はテナントの契約更新時期が分散しているため、賃料の増加基調が寄与するまでに時間がかかるという遅効性がある。つまり好調な状況が続く賃貸市場ではあるが、2025年度になってようやく分配金への寄与が始まった状態だ。
遅効性があるということは、この傾向は当面続く可能性が高い。「収穫期」はこれからが本番を迎えることになるため、J-REITの業績は当面堅調に推移すると考えられる。
※1:J-REITは年2回決算銘柄が大半を占め、季節要因が収益に影響を与える。そのため前期ではなく前年度同期比としている。
※2:各決算期の賃貸収益÷発行済投資口数で算出。
