6月16、17日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利が据え置かれたものの、参加者による政策金利見通し(中央値)においては「年内1回の利上げ」が示唆されました。前回3月に「年内1回の利下げ」見通しが示されていたことなどから、金融市場ではタカ派的と受け止められました。こうしたなか、金利先物市場では年内1回の利上げが織り込まれているうえ、さらなる利上げの可能性も意識されています。足元、中東情勢を巡る緊張緩和を受けて、米原油先物価格が米国・イスラエルによるイラン攻撃の前日となる2月27日以来の安値をつけるなか、インフレ懸念が後退し、米国債利回りは低下していますが、利上げが現実味を帯びてくれば、再び米国債利回りに押し上げ圧力がかかる可能性もあります。そこで、今回は金利上昇への耐性を備えつつ、先々の成長も期待される銘柄を以下の基準でピックアップしました。
<抽出条件>
・S&P500種株価指数に含まれる銘柄
(除く銀行、保険、不動産、投資銀行・証券会社、消費者金融、資産運用・資産管理)
・純債務÷EBITDAが1.0未満
・投下資本利益率が15%以上
・今会計期から翌会計期の1株当たり利益(EPS)成長率が5%超となる見通し
・翌会計期から翌々会計期の予想EPS成長率が高まる見通し
・条件を満たした銘柄について、純債務÷EBITDAが低い順に表示
まず、血液内科、腫瘍科、炎症・自己免疫を注力領域とするバイオ製薬会社のインサイト[INCY]が基準を満たしました。血液疾患である骨髄線維症向けの治療薬が主力ですが、皮膚疾患向け治療薬も成長しており、先々の業績押し上げが見込まれています。
また、アパレルやアクセサリなどをオフプライスで提供するティージェイエックス・カンパニーズ[TJX]もリスト入りました。世界中の2万を超えるベンダーのネットワークを活用し、ブランド商品を従来型の小売店よりも20-60%安い価格で仕入れて販売しています。物価上昇が続くなか、消費者の節約嗜好を捉えているものとみられ、同社の最高経営責任者(CEO)は「オフプライスのビジネスモデルが持つ柔軟性と回復力が、引き続き大きな強みになると確信している」と先々への自信を示しています。
加えて、商業用・住宅用の空調設備や輸送用冷凍ソリューションを手掛けるトレイン・テクノロジーズ[TT]も条件を満たしました。北米での売上が8割超となっています。同社はエヌビディア[NVDA]と協業し、人工知能(AI)データセンター向けの熱管理システムを提供しています。推論をはじめとする各種AIワークロードの要求を満たす、優れた電力効率および冷却効率の実現に対するニーズが、業績への追い風になっています。
このように、金利上昇への耐性を備えているとみられつつも、成長の期待される銘柄がありますので、銘柄選択の際の参考にしていただければと思います。
