先週(4月13日週)はS&P500が4.54%上昇、ナスダック100は6.2%上昇
先週(4月13日週)の米国株式市場は、力強く上昇しました。S&P500は4.54%上昇、ナスダック100は13営業日続伸、週ベースでは6.2%高となり、そろって過去最高値を更新しました。その理由は、第一に中東情勢の緊張緩和です。
イランがホルムズ海峡の商業通行再開を示したことで、原油価格は急低下し、株式市場は「戦争プレミアム」の巻き戻しを一気に織り込みました。先週は、悪材料の後退がそのまま株高につながる、非常に分かりやすい相場だったと言えます。
ただ、先週の株高は単なる地政学リスクの後退だけではありません。今回の上昇を支えたのは、米国企業のファンダメンタルズが想定以上に強かったことです。
予想以上の好決算、AI関連では中核銘柄に資金が流入するも過熱感には懸念か
2026年第1四半期の決算シーズンが始まりましたが、その結果もこれまでのところ予想以上に良好でした。S&P500採用企業の約1割がすでに1-3月期決算を発表し、そのうち88%が市場予想を上回りました。銀行株ではバンク・オブ・アメリカ[BAC]、モルガン・スタンレー[MS]などが安心感を与え、米景気の底堅さを改めて市場に印象づけました。
つまり、先週の相場は期待だけの上昇ではなく、業績が相場を追認し始めた上昇だったということです。
セクター別では、前半は金融、コミュニケーションサービス、情報技術が主導し、週後半は原油安を追い風に旅行・レジャーを含む一般消費財が強さを見せました。一方で、エネルギーは原油下落を受けて相対的に弱くなりました。AI関連では、主役は依然としてハード側でした。半導体、メモリー、データセンター関連への資金流入が続き、ソフトウエアも戻しましたが、主導権はまだインフラ側にあります。
市場は「AIは本当に稼ぐ」と見始めており、エヌビディア[NVDA]、マイクロン・テクノロジー[MU]、マイクロソフト[MSFT]、オラクル[ORCL]のような中核銘柄に資金が集まりやすい地合いでした。ただ、マーケットが短期的に急上昇したことで、過熱感が出ているのは気になるところです。
過去のデータが示唆する「中長期的な上昇」のサイン
中長期的に見ると強気のシグナルもあります。4月15日、米国の納税申告期限日時点で、S&P500は11営業日で10.7%上昇しました。
1953年以降、過去3ヶ月以内に同様の急騰がなかった局面に限ると、11営業日で10%超上昇したケースは今回を除き20回のみです。こうした局面の後、S&P500の先行リターンは1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年の各期間で全期間平均の少なくとも2倍となってきました。
特に6ヶ月先の平均上昇率は10.5%と、1953年以降の全期間平均である4.5%を大きく上回っています。つまり、マーケットにモメンタムが生じると、その後の相場は中長期的に上昇基調を維持する傾向があり、これは2026年後半の株価上昇を示唆しています。
今週(4月20日週)もイラン情勢と本格化する企業決算に注目
今週(4月20日週)の市場もイラン情勢と企業業績という2つの材料の綱引きとなります。
イラン情勢では、トランプ米大統領がイランに全面降伏に近い対応を求めるなか、焦点はイランがどこまで譲歩できるかにあります。もっとも、この点は歴史を振り返れば自ずと見えてきます。体制や国家の威信がかかった局面では、イランが外圧に対して容易に大幅譲歩するとは考えにくく、今後も強硬姿勢と限定的な交渉余地の間で揺れる展開が想定されます。
今回イランが従来の外交パターンを転換できるかどうかは、イスラマバードで開かれる米国との戦争終結に向けた2回目の協議の行方にかかっています。
一方、決算発表については、今週はS&P500採用企業のおよそ90社が発表を予定しています。主な企業としては、キャピタル・ワン・ファイナンシャル[COF]、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]、テスラ[TSLA]、テキサス・インスツルメンツ[TXN]、アメリカン・エキスプレス[AXP]、インテル[INTC]などが続きます。
