モトリーフール米国本社 – 2026年6月2日 投稿記事より

アマゾン・ドットコム[AMZN]の株価は、2026年好調に推移しています。同社の第1四半期決算は力強い内容で、クラウドサービスに対する需要の加速と、急成長する広告事業が後押ししました。その結果、アマゾンの株価は19%上昇し、S&P500種指数の10%上昇を大きく上回りました。

しかし、アマゾンの成長がまだ始まったばかりだとしたらどうでしょうか。現在進行中のいくつかの展開は、同社が魅力的な成長機会を有しており、今後5年間で株式市場全体を大きく上回る成果を上げる可能性があることを示しています。その理由を詳しく見ていきましょう。

エージェント型AIという追い風

アマゾンはすでに人工知能(AI)ブームの勝者となっています。クラウド部門であるAmazon Web Services(AWS)を通じて、数多くのAI搭載サービスを提供しているためです。しかし、AI業界はますますエージェント型AI、つまりチャットボットのような質問応答モデルを超え、目標達成に向けて自律的に行動できるシステムへと移行しつつあります。アマゾンは、このエージェント型AIをさまざまな形で活用できる可能性があります。クラウドコンピューティング分野のリーダーとして、アマゾンはAIエージェントを運用・稼働させるために必要なインフラを提供できるからです。また、同社はAIワークロードに特化したチップも自社で設計しています。

例えば、同社の「Graviton」CPU(中央演算処理装置)シリーズは、AIエージェントの実行に適しています。アマゾンは、長年にわたってそうしてきたように、インテル[INTC]やアドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]といった主要プロバイダーからサードパーティ製CPUを購入することもできます。

しかし、自社でハードウェアを開発することには、いくつかの利点があります。特に、コスト削減を実現し、その節約分を顧客に還元できるだけでなく、クラウドコンピューティング事業者としてさらに垂直統合を進めることが可能になります。

スノーフレイク[SNOW]が5年で60億ドル投資、AWSへの期待が鮮明に

ここで、アマゾンが最近スノーフレイク[SNOW]と締結した契約について触れておきましょう。このクラウドベースのデータ専門企業は、AIおよびエージェント型AIのワークロードを支えるAWSインフラに対し、今後5年間で60億ドルを支出することを約束しました。

この契約には、Gravitonプロセッサの利用も明確に含まれています。重要なのは契約金額そのものではありません。アマゾンほどの規模の企業にとって、5年間で60億ドルという金額はそれほど大きな意味を持ちません。しかし、この種の契約は、エージェント型AIの重要性がますます高まる中で、アマゾンの前に広がる大きな成長機会を浮き彫りにしています。

これこそが投資家にとっての朗報です。そして、アマゾンがこうした契約を締結したのは、今回が初めてではないことにも注目すべきでしょう。2026年4月には、メタ・プラットフォームズ[META]が自社のエージェント型AI推進の一環として、AWSおよびGraviton(プロセッサ)を活用するためにアマゾンと提携しました。

AI活用で利益率改善へ、アマゾンの成長ストーリーは続く

アマゾンは、エージェント型AIを運用・稼働させるためのインフラを提供する立場にあり、この新たなAI時代において注目すべき銘柄の1つと言えるでしょう。さらに、同社は自らAIエージェントの利用者となる可能性もあり、それが同社のeコマース事業を大幅に改善する可能性があります。

AIエージェントは、買い物客が必要な商品をより迅速に見つけるのを支援できるほか、ニーズや好み、過去の購買履歴に基づいて顧客ごとに最適化することも可能です。これらすべてが、アマゾンのeコマース事業全体における顧客エンゲージメントを高めるとともに、流通取引総額(GMV)および売上高の増加につながる可能性があります。さらに、アマゾンは倉庫内でAI搭載ロボットを活用することでコスト削減も進めています。

これは特に重要なポイントです。なぜなら、eコマース事業は依然としてアマゾン最大の事業部門であるものの、利益率はかなり低いためです。アマゾンがこの点を改善できれば、今後数年間で利益が大幅に増加する可能性があります。

一方、同社は広告事業など、利益率の高い分野を含む他の事業を拡大し続けており、さらに新たな成長分野も開拓しています。最近では、アマゾン・サプライチェーン・サービス(ASCS)を開始し、自社の巨大な物流ネットワークを他企業にも開放しました。

アマゾンの多方面に広がる成長機会

アマゾンはトップクラスのeコマース企業の一つであり、数百万点の商品を無料で迅速に配送するサービスを提供しています。そのため、他の企業がこの新しいサービスに大きな価値を見出す可能性があるでしょう。

アマゾンは、クラウドコンピューティング、AI、eコマース、広告事業など、数多くの成長市場に参入しています。同社はこれらすべての分野でリーダー的存在であり、将来の投資を支える十分なフリーキャッシュフローを生み出しています。また、ブランド力、顧客の乗り換えコスト、ネットワーク効果によって築かれた強固な競争優位性(モート)も備えています。これらすべてが、この銘柄を非常に魅力的なものにしています。

免責事項と開示事項  記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Prosper Junior Bakinyは、アマゾン・ドットコムの株式を保有しています。モトリーフール米国本社は、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ、アマゾン・ドットコム、インテルならびにスノーフレイクの株式を保有し、推奨しています。モトリーフールは情報開示方針を定めています。