3月上旬の水準まで下落した原油価格
イランのホルムズ海峡封鎖解除の動きを受けて、原油価格、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエイト)は4月17日には80米ドル台前半まで急落した。これは3月上旬以来の低水準である。米ドル/円は3月中旬から158~160円を中心とした小動きが約1ヶ月も続いてきたが、4月17日の原油価格の急落は、このレンジを米ドル安・円高方向へブレークする可能性が出てきたことを示すものと言えるだろう(図表1参照)。
日米金利差も大きく縮小=米金利低下が主導
ほぼ同じことが日米金利差の変化からも言えそうだ。4月17日、金融政策を反映する日米2年債利回り差(米ドル優位・円劣位)は、米金利の低下を主因として3月10日以来の水準まで縮小した(図表2参照)。つまり、日米金利差も158円をほぼ下限とした米ドル/円の小動きが始まる以前の水準まで縮小したわけだ。
1月の円安局面より倍以上に拡大した投機円売り
4月17日の米ドル/円は一時158円を大きく割れて157円半ばまで急落したが、その後は改めて158円半ばまで約1円と大きく反発した。いわゆる米ドルの「押し目買い」の強さを感じさせる値動きとなった。これは短期売買を行う投機筋の米ドル買い・円売りの影響が大きくなっている可能性がある。
代表的な投機筋のデータであるCFTC(米商品先物取引委員会)統計の投機筋の円ポジションは、2026年に入り最初に米ドル高・円安が160円に接近した1月下旬には、売り越し(米ドル買い越し)は4万枚までの拡大にとどまったが、4月に入ると一時は10万枚近くまで拡大した(図表3参照)。これは米ドル買い・円売りへの投機筋の関与が、かなり強くなっている可能性を感じさせるものではないか。
投機主導の円安が急反転した2022年と2024年
投機筋が主導した円安局面は、2022年と2024年にも見られた。これらのケースでは、日本の通貨当局による米ドル売り介入をきっかけに、投機筋が米ドル買い・円売りポジションの処分に転じると、円高への急転換が起こった(図表4参照)。今回の場合も、円安から円高への転換において、投機筋の動向がポイントになってくるだろう。
