1.3%まで下方修正された2026年第1四半期の米GDP伸び率

米GDPは、2025年第2、3四半期と4%前後の高い伸びが続いたものの、第4四半期は0.7%の低い伸び率にとどまった。その上で2026年第1四半期も低い伸びが続く可能性が出てきたようだ。

主因は、2月末の米国等によるイラン攻撃を受けた原油価格など、エネルギー価格高騰の悪影響だろう。GDPナウの第1四半期のGDP予想も、まさに最近にかけて下方修正が加速した形となっている。

今回のイラン戦争では、石油生産拠点への攻撃などにより供給力の回復には時間がかかることから、原油高なども長期化が懸念されている。そうなると、その悪影響による米景気の減速、さらに後退に向かう懸念もあり、それは金融政策にも大きく影響することになるだろう。

FRBはなお中立金利より引き締め気味=景気減速なら利下げ再検討も

エネルギー価格の急騰などによりインフレ再燃への懸念が強まる中で、金融政策を反映する米2年債利回りは大きく上昇し、政策金利のFFレート誘導目標上限の3.75%を上回った(図表1参照)。FFレートの引き下げという利下げ予想が消滅し、逆に利上げの予想も浮上するようになった。

【図表1】FFレートと米2年債利回り(2020年~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

ただ、FFレートは、3%程度と見られる米国の中立金利をなお上回った水準で推移しており、その意味ではなお引き締めの位置にあるだろう(図表2参照)。また、イラン戦争が展開する中で基本的に米ドル高が展開したことも金融引き締め効果になる。そうした中で米景気に減速の懸念が高まるようなら、FRB(米連邦準備制度理事会)はインフレ対策の金融引き締め強化より、利下げを再検討する可能性が高いのではないか。

【図表2】日米欧の政策金利の推移(2020年~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

日欧は中立金利より緩和気味=米国と日欧は逆方向の金融政策へ?

一方で、日銀やECB(欧州中央銀行)の政策金利は、それぞれ1~2%、3%程度とみられている中立金利を下回っている。つまり中立金利との関係で見ると、FRBとは異なり、日銀とECBは金融緩和の位置にある可能性が高いだろう。そうした中で物価高への懸念が強まれば、日銀とECBは金融緩和の修正という意味での利上げを急ぐ可能性が高いのではないか。

イラン戦争をきっかけに起こったインフレ再燃への懸念ともに景気悪化の懸念も高まるようなら、それは金融政策へも大きく影響しそうだ。具体的にはFRBが利下げ、日銀、ECBが利上げと米国と日欧で逆方向の金融政策に向かう可能性もありそうだ。そうであるなら、為替相場にとっては米ドル安を後押しする可能性が高いのではないか。