再生可能エネルギーの比率は拡大中

再生可能エネルギーの活用や、大量の電力を消費するデータセンターの普及により系統用蓄電池ビジネスが着実に拡大する見通しだ。

経済産業省が2025年12月に発表した2024年度エネルギー需給実績(速報)によると、2024年度の発電量の構成は、再生可能エネルギー(水力を含む)の比率が23.0%となり、2012年度の約10%から順調に拡大している。なお原子力が9.4%、残りが火力発電(バイオマスを除く)である。

政府の第7次エネルギー基本計画の発電電力量見通しでは、2040年度には再エネが4~5割程度で、うち太陽光が23~29%程度、風力が4~8%程度となっている。

再エネに必要不可欠な「系統用蓄電池」

太陽光や風力は、天候によって発電量が変動する「自然変動電源」である。火力発電のように発電量を細かく増減させることは困難だ。

電力供給を平準化するために、電力系統用の蓄電池や蓄電所が現状よりも必要になる。電力系統とは、電力会社などが運用する送配電ネットワーク(電力系統)のこと。家庭やオフィス、工場などの電力需要を満たすためには、需給バランスを取りながら電力を供給する必要がある。蓄電所は大型の蓄電池を備え、電力網に直接接続し充放電するなど電力網の需給を調整する役割を担う。

市場規模は2024年から2030年で9.4倍との予測も

矢野経済研究所が2026年1月に発表した「蓄電所ビジネスに関する調査」によれば、2030年度の国内蓄電所ビジネスの市場規模は4240億円と、2024年度実績の450億円から9.4倍になると予測している(※)。

ここでの蓄電所ビジネスとは、系統用蓄電池または再エネ併設型蓄電池を活用し、電力取引市場での運用によって収益を得る事業のこと。需給調整市場の入札上限価格引き下げにより、蓄電所ビジネス市場は蓄電所の開設、調整力需要の拡大で成長するとみている。

https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/4006

AIデータセンターの普及も系統用蓄電池の拡大を後押し

一方で、大量に電力を消費するAIデータセンターの普及で、電力のピーク・ボトムの変動が大きくなっており、これも系統電力向け蓄電池や蓄電所の需要増に弾みをつけるとの見方も多い。

データセンターは膨大な量の情報を処理するために、大量の電力を使う。特にピーク時の電力需要をどのように調整するかが重要である。電力供給が安定しなければ、稼働停止リスクもある。一方で、稼働していないときは需要が大きく減少する。

系統用蓄電池は一時的な保存と放電を行えるため、ピーク時の負荷を平準化し、エネルギー効率を向上させる。

系統用蓄電池、関連銘柄をピックアップ

レノバ(9519)

再エネ発電の専業大手。蓄電所を新たな成長の柱として位置づけ。2025年10月に同社初の市場販売型(マーチャント型)蓄電事業として、姫路蓄電所(15MW)の運転を開始。今後の計画では2027年度に北海道・石狩(30MW)、2028年度に苫小牧(90MW)、白老(50MW)、静岡・森町睦実(75MW)が運転を開始する見込み。

【図表1】レノバ(9519):週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2026年5月7日時点)

パナソニック ホールディングス(6752)

傘下のパナソニック・エナジーがデータセンター向け蓄電システムに注力。サーバーでは分散電源方式が主流になりつつある。これはサーバーごとに個別の電源を持たせるのではなく、直流給電などの共通電源を分散配置して供給する仕組み。電力ロス低減や冗長性向上(一部が故障しても全体を止めずに動かし続けられる設計・運用)を図る、データセンター向けの電源構成方式。

【図表2】パナソニック ホールディングス(6752):週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2026年5月7日時点)

ウエストホールディングス(1407)

太陽光発電所の開発、建設、保守などを展開。蓄電所に経営資源をシフト中。2024年に系統用蓄電所事業を開始。2025年4月にTMEIC(東芝と三菱電機の合弁会社)と系統用蓄電池事業で業務提携。ウエストがTMEICから蓄電システムやエネルギー・マネジメント・システムの提供を受け、ウエストが蓄電所を開発。

【図表3】ウエストホールディングス(1407):週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2026年5月7日時点)

ジーエス・ユアサ コーポレーション(6674)

鉛蓄電池で国内首位。世界でも有数。系統用向け、再エネ併設向けなどの用途に応じた定置用・大規模蓄電システムを製造・販売している。国内拠点でセル(電池の最小構成単位)から製造を行い、独自の安全構造を兼ね備えた製品を開発。セルから製造しているのは国内唯一としている。大型案件での実績多数。

【図表4】ジーエス・ユアサ コーポレーション(6674):週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2026年5月7日時点)

グリーンエナジー&カンパニー(1436)

系統に接続する蓄電池の開発から運用までをサポート。系統用蓄電池の完成・稼働実績は鹿児島県霧島市、千葉県印西市など5件。建設工事進行中は第3四半期末時点で15件。1号案件の霧島蓄電所は2024年に電力系統に連系し、2025年4月から一時調整用の運転を開始している。

【図表5】グリーンエナジー&カンパニー(1436):週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2026年5月7日時点)

ダイヘン(6622)

変圧器専業メーカー。EMS(エネルギー・マネジメント・システム)事業に注力。2018年に蓄電所向けパワーコンディショナー市場に参入。2024年には系統用蓄電池市場パッケージ製品を投入。EMS対応製品「シナジーリンク」を提供。

【図表6】ダイヘン(6622):週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2026年5月7日時点)

※関連銘柄のうち、規制銘柄などを掲載対象外とさせていただいております。