上場企業の参入も相次ぐリカバリーウェア市場
リカバリーウェア市場が拡大している。テレビCMなどで著名人が登場する場面が増加しているほか、店舗の売り場でも目にするようになってきた。市場の拡大を背景に、上場企業でも参入が相次いでいる。
リカバリーウェアとは一般的に、特殊な鉱物やセラミックを繊維に織り込んだり、生地に転写したりした機能性衣料のこと。着用することで、休養時や睡眠中に体温を遠赤外線として輻射する効果で血行促進や疲労回復などをサポートする。
日本能率協会総合研究所によれば、リカバリーウェアは2010年にアスリート向けの休養時専門ウェアとして発売されて注目を集めた。しかし、当時は品質基準や効果表示に明確なルールが存在しなかったため、粗悪品も流通していたという。厚生労働省は2022年に「医薬品、医療機器等の品質、有効性および安全性の確保等に関する法律」(通称:薬機法、旧薬事法)に基づく品目として「家庭用赤外線血行促進用衣」を追加。それにより科学的根拠(エビデンス)を示したうえで届出を行えば、血行促進や疲労回復などの効能を表示して販売できるようになった。
「睡眠不足大国」日本の救世主となるか
粗悪品が淘汰され、消費者が安心して購入できる環境が整ったことで、市場が拡大し、参入企業も増加している。日本能率協会総合研究所ではリカバリーウェアの市場規模は2024年の189億円が、2030年には1700億円まで拡大すると予想している。
日本人の睡眠時間は、世界に比べて短い。OECD(経済協力開発機構)による2021年の調査では日本人の平均睡眠時間は7時間22分で、世界で最も短い。中国は9時間1分、米国は8時間51分、フランスは8時間32分と、その差は大きい。短い睡眠時間は体のほか心への影響も懸念される。
リカバリーウェアでも、特に睡眠時に疲労回復を促す製品が中心となっているようだ。比較的短い睡眠時間でも疲労回復ができるのであれば、消費者のニーズをとらえて売上高が拡大する流れが継続する可能性がある。
関連銘柄をピックアップ
MTG(7806)
美容ブランド「Refa(リファ)」やEMS(筋電気刺激)トレーニング機器「SIXPAD」などを展開。8つの天然鉱石を配合した独自の特殊繊維「VITALTECH」を使ったリカバリーウェア「ReD」を手掛ける。マイクロレベルの鉱石パウダーを繊維に練りこんでいるという。身体が自ら放出している遠赤外線を吸収し、肌へと放出して血行促進、疲労回復効果が得られる。
ワークマン(7564)
作業服・作業関連用品の専門店「ワークマン」をチェーン展開。アウトドア、スポーツ用品なども手掛ける。リカバリーウェア「MEDiHEAL(メディヒール)」を投入。ルームウェアタイプ。独自技術で繊維に練りこんだ高純度セラミックスを輻射することで遠赤外線の血行促進作用で、疲労回復の環境を整える。他社のリカバリーウェアが1万円台半ばから3万円程度なのに対し、メディヒールは一般医療機器ながら4000円程度と安価。
プレミアアンチエイジング(4934)
化粧品の製造販売が軸。基礎化粧品「DUO」ブランドが主力品。子会社のVENEX(ベネクス)がリカバリーウェア「コンフォート」シリーズを展開。ナノプラチナなどの鉱物を含む独自素材を練り込んだPHT繊維を開発。繊維一本一本に素材が練り込まれているので、洗濯を行っても機能が減少することはないという。
ワコールホールディングス(3591)
女性用下着のトップメーカー。百貨店、量販店向け卸が主力。2025年12月にリカバリーウェア「&RECOVERY(アンドリカバリー)」を展開。アンドリカバリーのほか、コンディショニングウェアブランド「CW―X」のトップスとタイツをワコールウェブストアで発売開始している。2026年以降はワコールブランドなどでもリカバリーアイテムを順次展開するとしている。
AOKIホールディングス(8214)
紳士服業界2位。複合カフェの快活CLUBなども展開している。リカバリーウェア「RECOVERY CARE+」を手掛けている。パジャマとしても部屋着としても使える。フリースタイプも手掛けている。全国約480店舗を展開しており、全店で試着可能。
