コアウィーブ[CRWV]、2025年を象徴する新規上場銘柄
マイクロソフト[MSFT]やアイビーエム[IBM]、オープンAIなどが主要顧客
コアウィーブ[CRWV]は人工知能(AI)の開発に必要な計算資源をテック大手に提供しています。自社で運営する大規模なデータセンターにエヌビディア[NVDA]のGPU(画像処理装置)を導入し、クラウドを通じてAIの学習に使う計算リソースを販売しているのです。
主要な顧客にはマイクロソフト[MSFT]、アイビーエム[IBM]、メタ・プラットフォームズ[META]、オープンAI、コーヒアなど生成AIのトップ企業が名を連ねています。これらの企業の多くは、自社で大規模なデータセンターを運営する、いわゆるハイパースケーラーに分類されますが、計算資源の不足を補うため、あるいは巨額投資のリスクを軽減するためにコアウィーブからリソースの提供を受けています。
コアウィーブがナスダック市場に上場したのは2025年3月です。2025年はご存知のように生成AI用のデータセンター投資が大きな注目を集めており、時価総額などの面でも2025年を代表する新規株式公開(IPO)だったと言えそうです。
上場前からエヌビディアが出資、最先端GPUを優先的に調達可能
米国には暗号資産マイニングのためのデータセンターを運営し、AIブームに乗って転身した企業が散見されますが、コアウィーブもそうした企業の1つです。ただ、上場前からエヌビディアの出資を受けており、最先端のGPUを優先的に調達できるという強みを持ちます。
2024年末時点で運営するデータセンターは32ヶ所、導入したGPUは25万を超えています。さらに2025年5月にはデータセンターのホスティング事業を手掛けるアプライド・デジタル[APLD]からデータセンターを借り受けるリース契約を結ぶなどビジネスの拡大に向けて攻めの姿勢を維持しています。
業績もこうした姿勢を反映し、売上高が大きく伸びています。2025年7-9月期決算は売上高が前年同期の2.3倍に当たる13億6500万ドルに急増。純損失は1億1000万ドルにとどまり、前年同期の3億8900万ドルから3分の1以下に縮小しています。
懸案は過剰投資、競争力を維持しつつ金利負担を減らせるか
一方、懸案はAIセクター全体の問題とみられていますが、過剰投資です。特にコアウィーブは高額な最先端のGPUを調達し、それ自体が競争力の源泉になるというビジネスモデルなので、投資を止めるわけにはいきません。
GPUを担保に借入金を膨らませているようで、2025年7-9月期の借入金の利払い費用が前年同期実績の約3倍に当たる3億1100万ドルに急増しました。競争力を維持しつつ金利負担を減らすという難題に取り組む必要がありそうです。
セールポイント[SAIL]、包括的なIDセキュリティーを提供
法人向けプラットフォーム「セールポイント・アトラス」を展開
セールポイント[SAIL]は、法人向けに包括的なアイデンティティー(ID)・セキュリティー・ソリューションを提供しています。組織のリソースにアクセスできる権限を管理すると同時に可視化する機能を通じ、不正アクセスや悪用の防止を目指す顧客の取り組みをサポートします。
サイバー攻撃の脅威は年を追うごとに高まっており、ハッカー集団が不正に取得したユーザー名やパスワードを通じ、機密性の高いアプリケーションやデータにアクセスするケースも増えているようです。
セールポイントはこうした脅威に対応するためIDセキュリティーに特化し、人工知能(AI)などの最新技術を利用したプラットフォーム「セールポイント・アトラス」を展開しています。顧客にはアトラス上で「アイデンティティー・セキュリティー・クラウド」と呼ぶSaaSをソリューションとして提供し、成果を上げています。
組織内外の利用者のアクセス権限を体系的に管理
このソリューションでは、従業員や請負業者、ビジネスパートナーなど組織内外の利用者が組織との関係がなくなるまでのライフサイクル全体を管理するのが特徴です。従業員の場合は入社、異動、退職の各プロセスを自動化し、適切なタイミングで適切なアクセス権限を付与します。安全かつ費用対効果の高い方法で管理し、セキュリティ部門やIT部門の負担軽減を目指します。
また、アクセス権限を体系的に定義・管理するアクセスモデリング、属性や履歴を含む膨大な量のデータを解析して改善につなげるアナリティクス、組織内のコンプライアンス活動を可視化するコンプライアンス管理といった機能も提供します。
さらにデータアクセスのセキュリティーやパスワード管理、アクセス権限の可視化と職務分担のモニタリングを通じたアクセスリスク管理、パソコンなどのマシンにIDを付与して管理するマシン・アイデンティティー・セキュリティーなども手掛けています。顧客は60を超える国・地域に点在し、2025年1月末時点で2975の企業や組織にサービスを提供しています。
フィグマ[FIG]、オンラインでデザインツール事業を展開
ユーザーの3分の2は非デザイナー
フィグマ[FIG]はオンラインでデザインツールを提供しています。クラウド上で提供するためどこからでもアクセスが可能で、時間や場所を選ばないツールとして支持されています。リアルタイムの共同作業も可能で、チームでデザインワークに取り組む際には威力を発揮します。
豊富な機能と直感的な操作性も強みで、デザイナーでなくても使い勝手が良いという特徴があります。2025年1-3月の平均月間アクティブユーザー数は1300万人超で、その3分の2がデザイナー以外のユーザーでした。人工知能(AI)やプロトタイプの活用で、デザインの専門職ではない人もサポートします。
無料版からプロ仕様版、大手企業向けまで需要や料金に応じて多様なデザインツールを用意しています。代表格がウェブサイトやアプリの利用者が快適に操作できるように作り込むユーザー・インターフェイス(UI)デザインの作成ツールです。また、ユーザー体験の向上を目的にプロセス自体を設計するUXデザインの作成ツールも提供しています。
「フォーチュン500」の95%、「フォーブス・グローバル2000」の78%が利用
オンラインで消費者との接点となるUIデザインやユーザー体験の向上を図るUXデザインは企業にとって極めて重要です。2025年3月時点で「フォーチュン500」にランク入りした米国の大手500社の95%、世界の上位2000社で構成する「フォーブス・グローバル2000」の78%がフィグマのツールを利用しています。
このほかにもウェブサイトやアプリのページ単位の設計図に位置づけられるワイヤーフレームの作成ツール、図形作成のダイアグラム作図ツールといった利便性の高い機能も提供しています。
デザインツールで米国を代表する企業といえば、画像編集ソフトの「フォトショップ」やグラフィックソフトの「イラストレーター」などを擁するアドビ[ADBE]です。アドビは2022年、フィグマを200億ドルで買収する計画を進めましたが、独占禁止を懸念する当局の反対で2023年12月には買収を断念した経緯があります。
スタブハブ・ホールディングス[STUB]、チケット転売サイトを運営
スタブハブ・ホールディングス[STUB]はライブチケットの転売サイトを運営する企業です。個人や業者、コンテンツの権利保持者などがマーケットにチケットを出品し、ファンなどの買い手がそれを購入するという取引を仲介します。売買時に徴収する取引手数料が主な収入源です。チケット取引の対象となるライブイベントはコンサート、スポーツ、演劇などです。北米では「スタブハブ」、その他の地域では「viagogo」というブランドで事業を展開しています。
ライブイベントのチケットのリセールに特化しているだけに買い手向けにはチケットの検索機能、価格比較機能、安全な決済と配送など必要不可欠なサービスを提供します。一方、売り手向けでは在庫管理ソリューションや値決めツール、顧客分析など利便性の高いサービスを手掛けます。コンテンツの権利保持者などが空席を埋めるために「スタブハブ」を利用し、顧客の需要を探りながら値下げを行うケースもあるようです。
2024年の実績では90を超える国・地域で行われたライブイベントが対象となり、チケット販売数は4000万枚を超えています。北米ではメジャーリーグベースボール(MLB)などの4大プロスポーツがある上、人気歌手の世界ツアーといったライブイベントなどビジネスチャンスには事欠きません。
チャイム・ファイナンシャル[CHYM]、便利な金融サービスで存在感
チャイム・ファイナンシャル[CHYM]は一般消費者向けに金融サービスを手掛けています。銀行の日常のサービスが米国人の要望を満たしていないとの考えに基づき、アプリを通じて支出や預金、迅速な資金の借り入れなど使い勝手の良いサービスを提供します。
2025年3月末時点のアクティブ会員数は約860万人で、このうちの67%がチャイムをメインの金融サービス事業者として利用しています。従来型の銀行の収入源は預金金利と貸出金利の差で生じる金利収入ですが、チャイムは自社ブランドのデビットカードまたはクレジットカードの利用で生じる手数料を主な収入源としています。
チャイムは地域金融機関のバンコープ・バンクとストライド・バンクと提携しています。業務提携を通じてなるべく資産を持たないライトアセット戦略を維持しつつ自社のモバイル・プラットフォームを通じて両行の銀行サービスを利用しているのです。
チャイムをメインの金融サービス事業者として利用する層は毎月の給与振り込みにもチャイムの口座を使うケースが多いようで、これが会員向けの短期貸付の原資になります。低コストの資金を貸し付け、会員の利便性を高めています。具体的な商品では普通預金残高が一時的に不足した場合に融資する当座貸越の「スポットミー」や給料日前に最大500ドルを融資する「マイペイ」などがあります。
