東京市場まとめ

1.概況

日経平均は151円高の50,643円で反発し寄付きました。先週末と比較し円安・ドル高が進行していることや米国市場では主要3指数が揃って上昇した流れから上昇してのスタートとなりました。一方で早々に上げ幅を縮小し、寄付き以降の前場は下落しての推移となりました。方向感に欠ける展開となり、18円安の50,473円で前引けとなりました。

後場も先週末の終値である50,491円を挟んで一進一退での推移となりました。主だった材料に欠ける中で小動きでの展開となった日経平均は最終的に90円高の50,581円で反発となりました。

TOPIXは21ポイント高の3,384ポイント、新興市場では東証グロース250指数が3ポイント高の670ポイントで3日続伸となりました。

2.個別銘柄等

三菱地所(8802)は一時5.7%高の3,830円をつけ年初来高値を更新しました。5日、国内証券が同社の目標株価を従来の3,790円から足元の水準を上回る4,290円に引き上げ、これを材料視した買いが入りました。

サンリオ(8136)は4.2%高の5,607円をつけ反発となりました。8日、サンリオの屋外型テーマパーク「ハーモニーランド」について、将来的なエンタメリゾート化に向けた基本構想を発表し、市場は更なる成長の一手としてこれを受け止め、買いが優勢となりました。

東京電力ホールディングス(9501)は2.7%安の627.5円をつけ6日続落となりました。国内外の洋上風力発電を中心に計600万-700万キロワットを新規開発する計画について、資材高などによる採算悪化を受け、2030年度までの再生可能エネルギー目標を引き下げる検討に入ったと報じられ、これを嫌気した売りが出ました。

ファッションアパレルの三陽商会(8011)は一時4.9%高の3,780円をつけ年初来高値を更新しました。5日、英投資ファンドのアセット・バリュー・インベスターズ(AVI)が同社株の5.36%を取得したこと明らかとなり、今後の買増しや資本効率改善などへの思惑から買いが集まりました。

ものづくり支援を手掛ける菊池製作所(3444)は一時ストップ高水準となる16.2%高の716円をつけ、年初来高値を更新しました。一方で引け間際には売りが優勢となり、終値では8.9%安の561円で反落となりました。米国がロボティクス分野を支援する意向だと伝わり、ロボット分野などで試作開発を手掛ける同社はAIがロボットや機械を自律的に制御する「フィジカルAI」関連銘柄の一角として買いが続いていました。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は0.2%高で小幅に反発、TOPIXは0.7%高で同じく反発となりました。主だった材料に欠け、終日、方向感に欠ける展開となりました。FOMC(米連邦公開市場委員会)を控え、10日のパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の会見を前に、明日も同様に動きづらい展開が予想されます。明日の材料としては、植田総裁の英フィナンシャル・タイムズのイベントへの登壇があげられます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)