東京市場まとめ

1.概況

日経平均は191円高の49,494円で反発して取引を開始しました。前日は950円安と1,000円近く下げていたことから、自律反発の買いが入りました。朝方は方向感に欠ける展開となるも、10時16分には333円高の49,636円をつけ本日の高値を更新しました。その後は徐々に上げ幅を縮小し、前場は195円高の49,499円で取引を終えました。

後場寄付きは弱含み、寄付き直後には一時下落に転じる場面がみられました。15分ほどで前場終値水準まで持ち直すも、その後は下落基調での推移となりました。15時22分に59円安の49,243円をつけ本日の安値を更新し、最終的には前日比ほぼ横ばいの49,303円で小反発となりました。

TOPIXは2ポイント高の3,341ポイントで反発、新興市場では東証グロース250指数が16ポイント安の666ポイントで続落となりました。

2.個別銘柄等

ファナック(6954)は一時9.4%高の5,512円をつけ年初来高値を更新しました。1日、エヌビディア[NVDA]と協業すると発表し、AIが機械を自律的に制御する「フィジカルAI」が注目されるなか、将来の需要拡大を見込んだ買いが入りました。

東京電力ホールディングス(9501)は6.7%安の668.2円をつけ大幅続落となりました。1日時点の75日移動平均線(759円)を割り込んだことで、テクニカル面での売りが加速しました。同社の株価は原発再稼働を見込んで上昇基調にあったところ、11月21日の新潟県知事による柏崎刈羽原発6・7号機の再稼働容認表明を受け、目先の材料出尽くしとみた売りが続いています。

旭化成(3407)は2.0%高の1,272円をつけ反発となりました。1日、旭化成の子会社である旭化成アドバンスと帝人(3401)子会社の帝人フロンティアを2026年10月に統合すると発表し、事業再編による収益改善期待から買いが入りました。一方で帝人(3401)は0.2%安で取引を終えています。

ダスキン(4665)は一時7.1%高の4,274円をつけ上場来高値を更新しました。1日、外資系証券が同社の投資判断を3段階で最下位の「アンダーウエート」から真ん中の「イコールウエート」に、目標株価を2,800円から4,300円に引き上げ、これを材料視した買いが入りました。

データコミュニケーションサービス事業を展開するイオレ(2334)は0.5%高の433円をつけ続伸となりました。1日、エヌビディア[NVDA]が開発する最先端のデータセンター向けAI半導体「ブラックウェル」を搭載したサーバーの受注を始めたと発表し、これによる将来的な収益拡大を期待した買いが入りました。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は、前場は堅調も後場に伸び悩み、最終的には前日比ほぼ横ばいで取引を終えました。主だった材料に欠ける中で、徐々に売りが優勢となりました。

明日に向けての材料としては、米国のクラウドストライク・ホールディングス[CRWD]と、ソフトバンクグループ(9984)が過去に買収を検討していたとされるマーベル・テクノロジー[MRVL]の決算発表予定などがあります。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)