【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 46,270.46  △202.88 (10/14)
NASDAQ: 22,521.70  ▼172.91 (10/14)

1.概況

前日の米国市場は高安まちまちとなりました。パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が講演内で量的引き締め(QT)の終了が近いことを示唆したことが、投資家心理の悪化の歯止めとなるも、引き続き米中貿易摩擦を巡る警戒感が株式市場の重荷となりました。

ダウ平均は、195ドル安の45,871ドルで取引を開始しました。朝方は軟調な推移となるも、次第に持ち直し、中ごろには上昇に転じました。その後は、堅調な推移となるも、取引終了間際には、トランプ米大統領が自身のSNSで「中国が意図的に米国の大豆を購入していないのは、経済的に敵対的な行為だ」と表明したことで伸び悩み、最終的には202ドル高の46,270ドルで取引を終えました。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は172ポイント安の22,521ポイントで反落となりました。S&P500株価指数も10ポイント安の6,644ポイントで同じく反落となりました。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち8業種が上昇しました。生活必需品が1.7%高でセクターの上昇率トップとなりました。そのほか資本財・サービスなど3業種が1%台の上昇となる一方で、3業種が下落となりました。中でも情報技術が1.6%安となりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中20銘柄が上昇となりました。オープンAIとの提携を発表したウォルマート[WMT]が5.0%高で構成銘柄中の上昇率トップとなりました。キャタピラー[CAT]もアナリストの投資判断引き上げをきっかけに4.5%高となりました。アメリカン・エキスプレス[AXP]が3%台の上昇となったほか、3銘柄が2%台の上昇となりました。一方で10銘柄が下落し、エヌビディア[NVDA]が4.4%安となったほか、セールスフォース[CRM]が3.6%安とハイテク株が軟調となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]がオラクル[ORCL]が同社の次世代チップを導入すると伝わったことが好感され、0.8%高となりました。また決算発表をしたシティグループ[C]は株式トレーディングが好調で、増収増益となり3.9%高となりました。

5.為替・金利等

長期金利は、先週末から横ばいの4.03%となりました。15日朝のドル円は151円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

前日の米国市場は高安まちまちとなりました。本日の日本市場は昨日の下落を受けた自律反発狙いの買いから、寄付きは小幅高でのスタートが予想されます。一方で米国では半導体関連銘柄などハイテク株が軟調な推移となったことに加え、引き続き国内政治情勢の不透明感などが、株価の重荷となると考えられます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)