IT革命と世間は騒がしいですが、IT革命の本質とはなんでしょうか?不可能だったことを可能にする技術でしょうか?いつでもどこでもという利便性でしょうか?私は究極的には「効率性の向上とコストの削減」だと考えています。一番高いコストは「人」ですから、それは即ち「必要な人手が少なくて済む」ということです。逆に言うと人員整理を伴わないIT革命は、うわべだけのお祭りになってしまう危険性があると思います。IT革命が正しく行われると、この意味で当初はデフレ圧力の方が大きいと思います。
その次のステップとして整理された人員が付加価値のある新しいビジネスを興すことにより、ボトム・アップ型で経済全体の規模が大きくなって行く、それが理想型だと思います。90年代初頭にホワイト・カラーのリストラが進んだアメリカにおいて、人員整理の対象となった多くの人がシリコン・バレーなどに行き全く新しいビジネスを興して現在の底堅いアメリカ経済の基礎を創ったのと同じです。
この問題はタブーなのか、あまり議論されません。しかしちゃんと正視して前向きに取り組むべきだと私は思います。