昨日10月1日、多くの企業で2026年4月入社予定の新卒内定式が催されたのではないでしょうか。奇しくもその日、私は来春に社会人となる大学4年生の最終面接をしていました。そうです、当社は通年採用です。
今の学生はAIやインターネットを通じてあらゆる情報・データにアクセスでき、企業分析もしやすくなっています。就職先ランキングだけでなく自分なりの観点で会社を探せる時代。周りと違うタイミングで動き、別のことに没頭してから「やっぱり就職しよう」と決断する学生の話は新鮮で興味深いものです。
一方で、社会がデータドリブンになるほど、データがすぐに手に入らなかった時代はどんな風に社会や生活を回してたっけ?とふと考えます。折しも米国では政府機関が一部閉鎖となり、明日の米雇用統計発表が遅れそうです。Fedはデータ依存ですから、データ不足は目隠し運転状態…。ADP雇用レポートなど民間の代替データで補完は可能ですが、やはり政策判断は慎重にならざるを得ないように思います。企業経営も同じ。代替指標を組み合わせても、基幹データが狂えば平常運転は難しいものです。
では、人生の舵取りはどうでしょう。私たちは過去の経験や学びを膨大な「MY人生データ」として脳や身体に蓄積し、無意識に処理しながら判断しています。そこに価値観や世界観を組み合わせて未来を予測し、最後は直感で決めるのが人間。学生の「気づいたら就活最盛期が終わっていました…」という話を聞くと、その人の中の多彩な人生データを知りたくなりますし、その一つ一つが企業や社会を豊かにするはずだと感じます。
不安定な海を航海する上で必要な情報を集めつつ、最後は自分の信念や価値観に沿って決断する、そんな柔軟さを持ちたいものですね。さて、米国政府閉鎖や自民党総裁選といったニュースが飛び交う最中ですが、今週土曜日の10月4日(投資の日)は札幌で「マネックス全国投資セミナー」を開催します。また、明日、米雇用統計の発表がなくとも、「米雇用統計ライブセミナー」を札幌から配信する予定です。皆さまの資産運用に役立つ情報をタイムリーに届けられるよう、これからも尽力してまいります。
データがあふれる時代、どんな「人生データ」と「直感」を蓄積し、活かすかは自分次第。これからも、貪欲に歩みたいと思います!
- 清明 祐子
- マネックスグループ 代表執行役社長CEO/マネックス証券株式会社 取締役社長執行役員
-
2001年4月株式会社三和銀行(現 株式会社三菱UFJ銀行)入行、2006年12月に株式会社MKSパートナーズに転じ、2009年2月にマネックス・ハンブレクト株式会社(2017年マネックス証券と統合)入社。2011年6月マネックス・ハンブレクト株式会社代表取締役社長を経て、2013年3月 マネックスグループ執行役員、2016年6月グループ執行役、2019年4月マネックス証券株式会社代表取締役社長に就任。2020年1月グループ代表執行役COO、2021年1月グループ代表執行役COO兼CFOに就任。2021年6月グループ取締役就任、2022年4月グループ取締役兼代表執行役 Co-CEO兼CFO就任、2023年6月より取締役兼代表執行役社長CEO(現任)。2024年1月マネックス証券取締役社長執行役員。
