私は声が大きいです。大きいだけではなく、よく通ります。数十人規模の会合でざわざわしていても、「みなさーん!」と呼びかけると、ピタッと静まります。だいたいの場ではマイク不要の、エコな人間です(笑)。ゴルフコンペでも、前後の組の方から、「清明さんの声、よく聞こえたわ」と言われたり、キャディさんより大きな「フォアー!!!」を放ってしまったり。この「声の大きさ」のせいなのかは分かりませんが、自己紹介で「実は関西人なんです」と言うと「あー!」と納得顔をされることがあります。関西弁が出ているわけでもないのに(おそらく)、どうやら雰囲気が「関西風」らしいのです。

同じように、「金融っぽくない」とか、「(意外と)気さくな方なんですね」と言われることも多々あります。最近も立て続けにそう言われることがありました。世の中ではどうしても「金融=堅い」とか「女性社長=バリバリ働くキャリアウーマンで近寄りがたい」というイメージを持たれがちで、そのイメージと実際の私との間にギャップがあるようです。いわゆるアンコンシャスバイアスの一つなのかもしれませんね。思えば学生時代から、勝手に噂が流れて「私像」が独り歩きすることがありました。どうやら私はずっと「イメージと現実のズレ」と共に生きてきたようです。

けれど、これは特別なことではなく、誰にでも起きていることですよね。人は誰でも、肩書きや見た目、過去の経歴などによって「他人がつくる自分像」をまとわされます。本当の自分と、そのイメージとの間に差があるのは自然なこと。大事なのは、その差を埋めることよりも、どう向き合うか、なのでしょう。

考えてみれば、仕事も同じですよね。前任者や周囲と無理に合わせたり、比べたりする必要はない。むしろ多様な感性やスタイルを発揮することこそが、組織やビジネスを豊かにするのだと思います。

私は、自分に貼られたラベルを剥がすことに必死になるより、むしろそのズレを楽しみたいと思っています。時にラベルがあるからこそ、自分らしさが際立つこともあるからです。先日の「マネックス全国投資セミナーin福岡」で、お客様から、「つぶやき、毎週読んでます、ジャンボちゃん!」とお声がけいただきました。この「つぶやき」を通じて、私を知っていただいていることが、とても嬉しかったです。

他人がつけたラベルも、自分が選んだ物語も、すべてが「私」という一人の人間を彩る要素。ならば、それを上手に抱えながら、自分の物語を紡いでいくほうが楽しい人生なのかもしれません。自分らしく生きる、に尽きますね。