父方の実家が山肌近くの農家だったため、子供の頃は虫取り網などなくても手掴みで蝉を捕まえることができました。喧騒ましい蝉の声と、夏休みにばあちゃん家に行った時にだけ特別に飲むことを許されたサイダーやファンタグレープが私の夏の記憶。
暑い日が続いているのに、今年はまだあまり蝉の声が聞こえません。ただ、そういえばまだ7月中旬ですから、本格的に蝉が鳴き始めるのはこれからなのでしょう。今年は6月中旬から30度を超える真夏日が続いており、夏の到来が早すぎたことで、蝉も困惑しているのでは?
ちょっと調べてみますと、去年2024年は日野市で6月12日にはニイニイゼミが鳴いた、過去10年で最速記録とあります。さすがにそれは慌てん坊といいますか、特異なヤツが時期を間違えて出てきちゃったんじゃないの?と思いますが、平均的には7月10日~中旬頃から本格的に鳴き始めるようですので、いよいよ今週辺りから蝉の声が聞かれるでしょう。
2003年と2011年の蝉の初鳴きは7月20日以降、2020年のコロナ禍では7月下旬以降にずれ込んだと記録があります。特に2003年は梅雨明けが遅く長雨や低温が続いた冷夏でした。今年は冷夏ではありませんので、それほど遅れることもないかと思いますが、空梅雨も蝉の羽化を遅らせるとの指摘もあり、ひょっとすると今年はそれが影響するかもしれません。すでに暑い日が続いていますが、私の中での「本当の夏」は蝉の声とともにこれから始まります。
