モトリーフール米国本社 – 2025年5月13日 投稿記事より

小型テック株の復活候補アンプリチュード

人工知能(AI)ブームに後押しされ、大型ハイテク株は新型コロナウィルスのパンデミック以降に急騰しました。最近の調整を考慮しても、ハイテク株比率の高い大型株指数であるナスダック総合指数は2021年のピークから16%上昇しており、ナスダック上場企業の上位100社で構成されるナスダック100は25%を超える上昇を示しています。

しかし、小型株はそれほど幸運ではありませんでした。ラッセル2000(小型株)指数は2021年のピークから16%下落しており、ハイテク小型株もAIブームの波に乗り遅れ苦戦しています。

デジタル製品分析に特化したクラウドソフトウェア企業、アンプリチュード[AMPL]はそのひとつです。アンプリチュードは2021年9月、ちょうどパンデミック後に株式市場がピークに達した時に上場しました。当初、売上が急拡大して好調なスタートを切りましたが、2022年には他のソフトウェアセクターの大半の銘柄と同様に急落しました。

デジタルツールが必需品とみなされたパンデミックの時期に、多くの顧客が購入しました。しかし、その後売上は伸び悩み、顧客がデジタルツールへの支出を減らしたため、事業は苦戦を強いられました。しかし、暴落から3年が経過した今、同社は解約による混乱が収まり、経営陣が目指していたプラットフォームの構築に向けて買収や新製品の投入を進めています。

株価は足元で、1株12ドル近くで取引されており、時価総額は15億ドルに達しています。これに成長可能性を加味すれば、1,000ドル程度の資金でも購入できる魅力的な銘柄となっています。

アンプリチュードの現状

2024年10月のCommand AI買収後、アンプリチュードは、顧客がポイントソリューション(特定の課題に対処するために設計されたソフトウェア)で補完する必要がなくなるように、プラットフォームの構築を完了しました。

アンプリチュードは、顧客が製品分析プラットフォームに求めるすべての機能を提供しており、顧客はこれを使用して自社のeコマースウェブサイトのパフォーマンスを追跡しています。こうした製品には、ユーザーをガイドする「吹き出し」を追加したり、ユーザーの体験について調査できるガイドやアンケート機能、ユーザーがウェブサイト内でどのように移動したかを確認できるセッションリプレイ機能、ユーザーがマウスを最も長く置いている場所を示すヒートマップ機能などがあります。

アンプリチュードは今週、マーケティング分析ツールを発表し、6月にはAIエージェントをリリースします。これにより、顧客はデータを自分で解釈する代わりに、AIエージェントから直接推奨事項を取得できるようになります。モトリーフールとのインタビューで、スペンサー・スケーツCEOは、『お客様は常にデータを監視してくれる何百人ものエージェントを持つことになるでしょう、そして、それらが製品改善につながるトレンドや洞察を見つけてくれるのです』と述べています。

アンプリチュードの業績はここ数四半期で改善していますが、成長を加速させる余地は依然としてあります。報告された売上高は10%増の8000万ドル、年間経常収益(ARR)は12%増の3億2000万ドルとなりました。

しかし、事業の基礎的な成長がさらに堅調であることを示す指標は他にもあります。ARRが10万ドルを超える顧客数は18%増の617社となり、引き続きエンタープライズレベルの顧客の獲得が進んでいます。また顧客が長期契約を結んでいるため、残存履行義務は30%増の3億2590万ドルとなりました。同社はまた、株価の変動に乗じて5000万ドルの自社株買いを実施することも発表しました。

アンプリチュードが今後成長する可能性

アンプリチュードは足元で、株価売上高倍率4倍で取引されており、その成長率を考えると妥当な水準です。同社は特に製品分析のリーダーとして頭角を現しており、アルファベット[GOOGL]のGoogle AnalyticsやAdobe Analyticsから市場シェアを奪っていることから、さらに大きく成長する可能性を秘めています。

2025年6月のAIエージェントの立ち上げは、長期的な成長の起爆剤となる可能性があり、今後数年に渡って同社の株価に貢献するかもしれません。プラットフォームの構成要素が追加されたことで、事業は転換点を迎えていくとみられます。

免責事項と開示事項  記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。アルファベットの幹部であるSuzanne Freyは、モトリーフール米国本社の取締役会メンバーです。元記事の筆者Jeremy Bowmanは、記載されているどの銘柄の株式も保有していません。モトリーフール米国本社は、アドビ[ADBE]とアルファベットの株式を保有しており、推奨しています。モトリーフール米国本社は情報開示方針を定めています。