モトリーフール米国本社、2025年4月29日 投稿記事より
話題の肥満治療薬「ウゴービ」が遠隔診療で購入できる
ヒムズ&ハーズ・ヘルス[HIMS](以下、ヒムズ&ハーズ)とライフMD[LFMD]の株価が4月29日(火)に急上昇しました。S&P500種指数とナスダック総合株価指数が小幅な上昇となる中、同日午後3時15分(米国東部時間)時点で、両社の株価はそれぞれ24%と34%急上昇しました。
この株価の急騰は、製薬大手のノボ・ノルディスク[NVO]が、同社の大ヒットGLP-1受容体作動薬である肥満症治療薬「ウゴービ(Wegovy)」をヒムズ&ハーズやライフMDなどの遠隔医療プラットフォームを通じて販売すると発表したためです。
遠隔医療プロバイダーらがウゴービ直販のサポート体制を強化
ノボ・ノルディスクは、ヒムズ&ハーズ・ヘルス、ライフMD、Roなどの遠隔医療プロバイダーを通じてウゴービを直接販売すると発表しました。これにより、患者は人気の高い抗肥満薬にアクセスしやすくなります。ノボ・ノルディスクは以前の供給不足を解消し、現在は販売範囲の拡大を推進しています。顧客は、ヒムズ&ハーズ、ライフMD および同業他社を通じて、ノボ・ノルディスクの消費者向け薬局であるノボケア(NovoCare)を利用できるようになります。
ウゴービのすべての投与量は、ヒムズ&ハーズを通じて月額599ドルから購入することができます。同社によると、これには24時間365日のケア、栄養指導、継続的な臨床サポートも含まれます。ライフMDはウゴービについて、「最近値下げされた月額499ドルの自己負担で、ブランド名の『GLP-1オプション』を提供し、便利な自宅配送も含め、患者サポート体制を強化する」と発表しました。
ヒムズ&ハーズに収益回復の兆し
ウゴービなどのGLP-1製剤の供給不足によって遠隔医療プロバイダーが一時的に第三者によるジェネリック医薬品に相当する複合製剤を販売することができるようになったことで、ヒムズ&ハーズの売上高は急増しました。供給不足が解消されると、ヒムズ&ハーズは収益性の高いこれらの医薬品を販売する能力を失いました。今回の新たな提携は、ヒムズ&ハーズにとって重要な収益の柱を復活させ、同社の売上高と利益を押し上げるのに貢献する見込みです。
競合他社もウゴービにアクセスしていますが、ヒムズ&ハーズは遠隔医療プロバイダーの中で最も人気が高く、ブランド認知度と既存の顧客基盤を活かし、最も恩恵を受ける可能性が高いとみられます。とはいえ、株価は株価収益率の53.7倍、株価売上高倍率の4.6倍という大幅な高値で取引されています。
ライフMDの株価はそれほど劇的な変動はなく、実際には過去1年間で下落しており、株価は利益のわずか1.2倍で取引されています。同社は依然として赤字経営ですが、正しい方向に進んでおり、割高なヒムズ&ハーズ株の代替となる可能性があるでしょう。
免責事項と開示事項 記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Johnny Riceは、記載されているどの銘柄の株式も保有していません。モトリーフール米国本社は、ノボ・ノルディスクを推奨しています。モトリーフール米国本社は情報開示方針を定めています。