モトリーフール米国本社、2025年4月27日 投稿記事より
現在は株価が低迷しているが再浮上が期待できるAI関連銘柄とは
株式市場では現在、人工知能(AI)関連銘柄の人気が落ちています。これは、市場ではリスクを回避しようとして、好景気が成功の鍵となる高成長株が売却されているためです。しかし、その結果として、過去に高いパフォーマンスを示したAI関連銘柄を大幅な割安価格で手に入れるチャンスが生まれています。忍耐強く待つことができれば、これらの銘柄は、数年以内に市場を上回る可能性があります。
筆者がその可能性があると考える2銘柄は、サウンドハンド・AI[SOUN]とトレード・デスク[TTD]です。いずれも株価は史上最高値から大きく下落していますが、今後、好調な四半期決算が続けば再び最高値まで回復する可能性は十分にあるでしょう。
1. サウンドハンド・AI
サウンドハンド・AI[SOUN]は2024年に人気を集めたAI関連銘柄です。株価のピーク時には年間1,000%上昇しました。
テキスト入力が不可のアプリケーションが多いため、サウンドハンド・AIはAIモデルの入力に音声入力を活用することに注力しています。特に注力している分野は2つあり、デジタル運転アシスタントとドライブスルーの自動化です。また、ヘルスケア、保険、金融商品も展開しています。
サウンドハンド・AIは2024年に驚異的な成長を遂げ、それが株価の大幅な上昇につながりました。2024年第4四半期の売上高は3,450万ドルに達し、前年同期比101%増(2.01倍)でした。これは素晴らしい実績ですが、さらに注目すべきは2025年の売上高ガイダンスです。経営陣は2025年の年間売上高を1億5,700万~1億7,700万ドルと予想しており、これは前年を97%上回ります。大きな伸び率ですが、ガイダンスが関税による経済活動減速の影響を受けるかどうかを理解するには、第1四半期決算の際に経営陣から最新情報を得ることが必要でしょう。
ガイダンスに変更がなければサウンドハンド・AIの株価は上昇する可能性があります。さらに同社は、12億ドルの受注残を抱えています。これを売上高に計上できるかどうかは保証されていませんが、同社が締結している契約の規模を投資家に示す材料となります。期間内に全ての契約が満了となるわけではないものの、同社はこれらの契約が満了するまで約6年かかると見積もっています。仮にこの受注残の大部分を売上高に計上できるとなれば、投資家は高成長が見込まれる2025年を過ぎてもなお、十分な成長機会があることを理解できるでしょう。
サウンドハンド・AIの株価が史上最高値に戻る道のりは長いものの、同社が現在の成長ペースを維持できれば、それほど時間はかからないと考えられます。
2. トレード・デスク
トレード・デスク[TTD]は、2025年2月12日に同社の歴史で初めて売上高が予想を下回り、2月13日は、株価が30%を超え急落しました。この予想未達の原因は、旧プラットフォームから新プラットフォームに顧客を移行させる過程で売上高の一部を計上できなかったためです。
同社の大幅な株価下落は、米国の株式市場が史上最高値を記録する数日前に発生し、その後市場は現在まで下落基調が続いています。本稿執筆時点でトレード・デスクの株価は史上最高値を65%下回る水準にあり、この水準では魅力的な投資対象であるように思われます。
トレード・デスクはデジタル広告市場の一角を占め、広告主側が広告を最適な場所に設定するのを支援しています。この中には、ポッドキャストの音声やインターネットに接続して動画やアプリケーションを利用できるコネクテッド・テレビ(CTV)といった、急成長中の重要な広告メディアが含まれます。同社の広告購入ソフトウエアには大きな成長余地があります。世界の広告市場は巨大で、従来のテレビからCTVへの移行が続いているからです。CTVテレビでは、個々の視聴者に合わせて広告をカスタマイズできる点が魅力です。
アナリストによるコンセンサス予想は、トレード・デスクが今後数年間、力強く成長すると見込まれています。具体的には、売上高は2025年に17%、2026年に20%増加すると予想しています。その結果、同社の予想株価収益率(PER)はかなり魅力的な水準にあります。
本稿執筆時点で27倍という予想PERは株式市場の他の銘柄ほど割安ではありませんが、トレード・デスクの取引データでは最も低い水準です。トレード・デスクのビジネスモデルには長期的な追い風が吹いており、現在の株価は投資家にとって十分割安だと考えられ、将来的に市場を上回る可能性を秘めていると思われます。
免責事項と開示事項 記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Keithen Druryは、トレード・デスクの株式を保有しています。モトリーフール米国本社はトレード・デスクの株式を保有し、推奨しています。 モトリーフール米国本社は情報開示方針を定めています。