現在、米国株式市場は、トランプ政権による関税政策の不透明感を背景に調整色を強めており、S&P500株価指数は4月22日時点で年初来マイナス12.3%と下落基調が続いています。
今後の相場の行方は、米国経済が景気後退または金融危機に陥るかどうかが一つのカギとなりますが、こうした局面では、過去の景気後退期にどのような銘柄が底堅さを示したのかを振り返ることで、銘柄選定の参考になるかもしれません。
なかでも、2008年のリーマン・ショックは代表的な景気後退・金融危機の事例として多くの投資家の記憶に刻まれています。この年、S&P500株価指数は年間で38.5%下落し、株式市場は大きな混乱に見舞われました。しかし、そうした中でも年間を通してプラスのパフォーマンスを記録した銘柄も存在しています。
そこで、今回は、2008年に年間リターンがプラスだった米国株のうち、現在の時価総額が大きい上位15銘柄をピックアップしてみました。リストを見ると、ウォルマート[WMT]やネットフリックス[NFLX]、マクドナルド[MCD]、アムジェン[AMGN]、シャーウィンウィリアムズ[SHW]、などが含まれています。
その他、リストに含まれる銘柄は、ディフェンシブ色の強い業種に属している銘柄が多く見られました。たとえば、生活必需品やヘルスケア関連は、一般に景気変動の影響を受けにくいとされ、相場が不安定な局面でも比較的堅調に推移する傾向があります。
過去の実績が将来を保証するわけではないものの、景気後退が意識される場面では、こうした過去の危機時に強さを示した銘柄を参考にすることで、ポートフォリオ全体のリスク管理につながると言えるでしょう。