東京市場まとめ

1.概況

日経平均は174円安の34,556円と反落で寄付きました。ドル円相場が円高に推移していることも重荷となり、利益確定の売りが先行してのスタートとなりました。ドル円相場が一時140円台まで上昇したことで、主力の輸出関連株を中心に売りが出て、前場は429円安の34,300円で取引を終えました。

後場は安値圏での推移となりました。後場寄りの12時30分に513円安の34,216円をつけ本日の安値を更新しました。その後は34,300円近辺で一進一退に推移しました。終始、上値も重く最終的には450円安の34,279円で大引けとなりました。

新興市場では東証グロース250指数が0.4%安と反落で取引を終えました。

2.個別銘柄等

トヨタ自動車(7203)は2.9%安の2,470.5円をつけ反落となりました。ドル円相場が1ドル140円をつけるまで円高に推移し、輸出採算の悪化懸念から売りが優勢となりました。同社の2025年3月期(前期)の想定為替レートは1ドル152円としているほか、今週に控える日米関税交渉の不透明感も売りにつながりました。

神戸物産(3038)は1.9%高の4,404円をつけ続伸となりました。輸入商品を多く取り扱う同社は、円高によるコストの低下の恩恵を受ける円高メリット銘柄として買いが入りました。そのほかにも、東南アジア等の海外で生産するニトリホールディングス(9843)は2.9%高で取引を終えています。

三越伊勢丹ホールディングス(3099)は2.8%安の1,687.5円をつけ3日ぶりに反落となりました。円高進行を受けて、インバウンド需要の減少を懸念した売りが優勢となりました。そのほか百貨店株である高島屋(8233)は2.7%安、J.フロント リテイリング(3086)は3.9%安で取引を終えています。

メニコン(7780)は12.1%高の1,353円をつけ3日続伸となりました。原材料や調達コスト、物流コストの増加を理由に、定額制コンタクトレンズ販売「メルスプラン」等の値上げを発表し、値上げによる採算改善の期待から買いが入りました。

独立系の自動車部品・産業機械メーカーである安永(7271)はストップ高水準となる17.6%高の535円をつけ続伸となりました。18日、2025年3月期(前期)の通期業績予想を上方修正し、これを材料視した買いが集まりました。当期純利益は従来から3.5億円上振れとなる7.5億円とし、また期末配当も従来から3円増額する8円としています。

VIEW POINT: 明日への視点

ドル円相場の円高進行が、日本市場の重荷となりました。円は、24日に予定されている日米財務相会談を前に、先だって買われている印象があり会談の内容次第で更なる円高も考えられるでしょう。

明日も、今日と同様に日米財務相会談や、後半にかけて発表される主要銘柄の決算を前に動きづらい展開が予想されます。円高メリット銘柄や、ディフェンシブ銘柄等に注目してみても良いかもしれません。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)