【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 43,840.91 △601.41 (2/28)
NASDAQ: 18,847.28 △302.86 (2/28)
1.概況
先週末の米国市場は、主要3指数が揃って大きく反発しました。PCE価格指数が市場予想通り前月からの鈍化を示すなど経済指標にサプライズがないなか、トランプ大統領とゼレンスキー大統領の会談協議が決裂し、地政学リスクの高まりが懸念される場面もありましたが、株式市場では米長期金利の低下などを背景に取引終盤にかけて買いが広がりました。
20ドル高で取引を開始したダウ平均は、寄付き後に伸び悩むと、一時はマイナスに転じて138ドル安となる場面もありましたが、取引終盤にかけて買いの勢いが強まり上げ幅を広げると、結局601ドル高の43,840ドルで取引を終え、3日ぶりに反発しました。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は302ポイント高の18,847ポイント、S&P500株価指数は92ポイント高の5,954ポイントで取引を終え、ともに反発しました。
2.経済指標等
2月の米個人支出は前月比0.2%減となり、0.3%増を見込んだ市場予想に反して減少となりました。一方、2月の米個人所得は0.9%増となり市場予想を上回りました。また、PCEデフレータは前年同月比2.5%上昇、PCEコアデフレータは同2.6%上昇となり、市場予想通り前月の結果から伸びが鈍化しました。
3.業種別動向
S&P500の業種別株価指数では、全11業種のすべてが上昇しました。特に金融が2%以上上昇したほか、一般消費財・サービスや情報技術、エネルギーを含む8業種が1%以上上昇しました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では、30銘柄中26銘柄が上昇しました。特にエヌビディア[NVDA]が4%近く上昇したほか、スリーエム[MMM]も3%以上上昇しました。また、ゴールドマン・サックス[GS]やアメリカン・エキスプレス[AXP]、ウォルト・ディズニー[DIS]、ジェイピー・モルガン・チェース[JPM]が2%以上上昇しました。一方、ナイキ[NKE]やマクドナルド[MCD]、ベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]、アイビーエム[IBM]の4銘柄が1%未満の下落となりました。
ダウ平均構成銘柄以外では、エナジードリンクのモンスター・ビバレッジ[MNST]が5.3%上昇しました。2月27日通常取引終了後に公表された2024年12月通期の決算は増収、営業減益となりましたが、市場予想を上回った売上高と海外事業の回復が好感された模様です。一方で、データ管理のネットアップ[NTAP]は、第3四半期決算の業績が増収、営業減益になったことから15%以上下落してS&P500構成銘柄の下落率ランキングでワーストとなりました。また、パソコンやプリンターのHP[HPQ]も第1四半期決算が増収、営業減益となり6.8%下落しました。
5.為替・金利等
米長期金利は前日から0.05%低い4.21%となりました。ドル円は、150円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は、先週末の米国市場の大幅反発を受け、反発してのスタートが予想されます。一方、トランプ大統領とゼレンスキー大統領の会談が決裂し、地政学リスクの高まりが懸念されるなか、月初の今週は日米で主要な経済指標の発表を控えていることから、相場は激しい値動きとなりそうです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)