モトリーフール米国本社 – 2025年2月24日 投稿記事より

エヌビディアは、サウンドハウンドAIを売却し、ネビウス・グループ[NBIS]に投資

2024年、AI半導体大手エヌビディア[NVDA]が音声認識技術に強みのあるサウンドハウンドAI[SOUN]に戦略的投資をしたことにより、サウンドハウンドAIの株価は前例のない上昇を見せました。

米国では、金融機関と同様に、企業は他社株式の保有状況を「フォーム13(13F)」と呼ばれる提出書類(1億ドル以上の株式を保有する投資家が四半期ごとに提出)で報告する必要があります。エヌビディアの最新の報告書によると、エヌビディアがサウンドハウンドAI株を売却し、ネビウス・グループ[NBIS]というデータセンター銘柄に投資したことが分かります。

ネビウスとエヌビディアの関係

現状ネビウスがAI革命の中でいかに重要な役割を担っているかを探り、ネビウスのバリュエーションが現在、妥当だと判断する理由を考えます。

ネビウスはかつて、ヤンデックスというロシアのインターネット・コングロマリットが保有していました。しかし、ロシアによるウクライナ侵攻後、米国と欧州連合(EU)はロシアに制裁を発動し、その結果、幾つかの興味深い経営判断が下されました。

ヤンデックスに関して言えば、同社はロシア以外の子会社を分離し、その一つがネビウスでした。この取引後、ネビウスは独立した公開企業としてナスダック市場に上場しました。

上場後間もなく、ネビウスは新株発行によって7憶ドルを調達しました。これにエヌビディアが参加したため、同社によるによるネビウスへの出資はニュースとして報道され、エヌビディアには13Fによる報告が義務付けられました。

ネビウスはAIインフラへの投資とデータセンター立ち上げを強化

2024年9月、ネビウスはフィンランドおよびフランス全土にまたがるAIインフラに10億ドルを投資すると発表しました。その一環として、ネビウスはエヌビディアのホッパーおよびブラックウェル画像処理装置(GPU)のクラスターを備えるデータセンターを建設する予定です。

加えて、ネビウスは米国でも影響力を強めており、カンザスシティ(ミズーリ州)に新たなデータセンターを立ち上げ、さらに多くのブラックウェルGPUを導入する予定です。

ネビウスが米国で注目され始め、エヌビディアと緊密な関係にあることに鑑みると、マイクロソフト[MSFT]、アマゾン・ドットコム[AMZN]、アルファベット[GOOGL]などの巨大クラウド企業が進めているAIインフラプロジェクトに、ネビウスがさらに組み込まれるとしても驚きではないでしょう。

ネビウスのバリュエーションを分析する

ネビウスの2024年第4四半期決算プレスリリースによると、2025年第1四半期(3月まで)の年間経常収入(ARR)は、「締結済みの契約に基づいて」少なくとも、2億2,000万ドルに達すると予想されています。さらに、ネビウスのアルカディ・ボロズ最高経営責任者(CEO)は、投資家に対し、ネビウスが目標としている同年12月のARR7億5,000万ドル~10億ドルには「十分に手が届く」と語り、ブラックウェルGPUの展開と顧客基盤の拡大を主な要因として挙げています。

モトリーフールのウェブサイトにおいての私の同僚寄稿者であるBram Berkowitzは、最近の記事で、ネビウスがコアウィーブの競争相手と見なされる可能性があると指摘しました。コアウィーブはまだ未上場の企業ですが、年内にも企業価値を350億ドルと評価して公開されると噂されています。コアウィーブの2024年の収入(売上高)20億ドルが正確であると仮定すると、株価売上高(P/S)倍率が17.5倍であることを示唆します。

同じ比率をネビウスに適用すると、ネビウスの評価額はARRガイダンスから131億ドル~175億ドルの間であることが示唆されます。ネビウスの現在の時価総額が109億ドルであることを考えると、ネビウス株には魅力的な上昇余地があると言えるでしょう。

免責事項と開示事項  記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。John Mackeyはアマゾン・ドット・コムの子会社Whole Foods Marketの元最高経営責任者(CEO)であり、モトリーフール米国本社取締役会メンバーです。アルファベットの役員であるSuzanne Freyはモトリーフール米国本社取締役会メンバーです。元記事の著者Adam Spataccoはアルファベット、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト、エヌビディアの株式を保有しています。モトリーフール米国本社はアルファベット、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト、ネビウス・グループ、エヌビディアの株式を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、次のオプションを推奨しています。マイクロソフト2026年1月限月395ドル・コールオプションをロング、マイクロソフト2026年1月限月405ドル・コールオプションのショート。モトリーフール米国本社は情報開示方針を定めています。