東京市場まとめ
1.概況
前日の米国市場にて主要3指数が揃って反落となった流れを引き継ぎ、日経平均は154円安の38,523円で寄り付きました。朝方はドル円相場が150円を割り込み、前日より円高に推移したことで、日経平均は下げ幅を拡大し10時25分に221円安の38,456円をつけ本日の安値を更新しました。
その後、日銀植田総裁が、金利が急騰する様な状況では「機動的に国債買い入れの増額等を実施する」と発言したことで国内金利の低下と円が下落、併せて日経平均は反転し、10時43分に130円高の38,808円をつけ本日の高値を更新しました。その後やや上げ幅を縮め、前場は41円高の38,719円で取引を終えました。
後場は再び下げに転じ、序盤は前日終値付近で推移するも13時半ごろから買いが優勢となり、段々と上げ幅を拡大しました。明日からの3連休を控え、様子見ムードも広がる中で最終的には98円高の38,776円で大引けとなりました。新興市場では東証グロース250指数が0.5%安となり3日続落で取引を終えています。
2.個別銘柄等
ディー・エヌ・エー(2432)が一時14.4%高の4,042円をつけ昨年来高値を更新しました。好調なスマートフォンゲーム「Pokemon Trading Card Game Pocket(通称ポケポケ)」が当面の間、収益に安定貢献する見込みとの評価から、アナリストが同社の投資判断と目標株価を引き上げたことが買い材料となりました。
スズキ(7269)は3.3%安の1,880円をつけ反落となりました。米テスラ[TSLA]がインド市場に参入する準備を進めている」との報道を受けて、大きなシェアを握るインド市場での競争激化を懸念する売りが優勢となりました。
カプコン(9697)が一時5.6%高の4,100円をつけ上場来高値を更新しました。28日発売予定の「モンスターハンターワイルズ」が来期にかけても好調に伸びると見込まれることで、アナリストが目標株価を従来の3,880円から4,580円へと引き上げたことが材料視されました。
京成電鉄(9009)は0.3%安の1,472円をつけ3日続落となりました。朝方は外資系証券による投資判断と目標株価の引き上げを手掛かりに反発するも、その後は伸び悩みました。来期から始まる新中期経営計画では、投資負担拡大を理由に期待は大きくないものの、現状からは株主還元が進むといった指摘がされています。
ツムラ(4540)は0.9%安の4,316円をつけ4日続落となりました。20日、三菱UFJ信託銀行等の株主8社が同社株を売り出すと発表し、株式需給の悪化を警戒した売りが優勢となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は週間で1%安となりました。週の後半からドル円が円高に推移したことや金利上昇が重荷となるも、本日の日銀植田総裁の機動的に国債買い入れを増額するといった発言が先行きに対して安心感を与えた印象です。来週に向けて、26日エヌビディア[NVDA]の決算発表に注目が集まります。
また、26-27日にかけて主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が南アフリカで開催され、各国中銀総裁のコメントが注目されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)