【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 44,556.04  △134.13 (2/4)
NASDAQ: 19,654.02  △262.06 (2/4)

1.概況

昨日の米国市場では、主要3指数が揃って3日ぶりに反発となりました。ダウ平均は47ドル高で開始すると、すぐにマイナスに転じ、93ドル安まで下げ幅を広げました。トランプ米政権が4日から中国に追加関税を課し、中国は同日に報復措置を打ち出したことで、米中貿易摩擦の悪化懸念が相場を押し下げました。

しかし、下げ渋ると米労働省が発表した2024年12月の米雇用動態調査(JOLTS)で、非農業部門の求人件数が760万件と市場予想を下回ったことで、強すぎる雇用を背景とした利下げペースの鈍化シナリオが後退し、買いが優勢となりました。

また、個別銘柄の市場予想を上回る決算公表をきっかけに、ハイテク株の一角に買いが集まり、相場を押し上げました。結局ダウ平均は取引終盤にやや上げ幅を広げると134ドル高で取引を終えました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は262ポイント高の19,654ポイント、S&P500株価指数は43ポイント高の6,037ポイントで取引を終えています。

2.経済指標等

12月の米製造業新規受注は前月比0.9%減となり、市場予想を下回りました。12月の米耐久財受注の確報値は前月比0.3%増と、市場予想通りとなり、速報値から変更はありませんでした。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち7業種が上昇となりました。特に、エネルギーが2%以上上昇したほか、コミュニケーション・サービスや情報技術、一般消費財・サービスが1%以上上昇しています。一方で、公益事業や生活必需品、金融、ヘルスケアの4業種が1%未満の下落となりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では、30銘柄のうち19銘柄が上昇しました。特に、シェブロン[CVX]とアップル[AAPL]が2%以上上昇したほか、アマゾン・ドットコム[AMZN]やエヌビディア[NVDA]、セールスフォース[CRM]など7銘柄が1%以上上昇しました。一方、11銘柄が下落となり、特に、市場予想を下回る決算を公表したメルク[MRK]は9%以上下落しました。また、コカコーラ[KO]が1%以上下落したほか、ウォルト・ディズニー[DIS]やユナイテッドヘルス・グループ[UNH]、ベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]などが小幅に下落しています。

ダウ平均構成銘柄以外では、ビッグデータ分析を手がけるパランティア・テクノロジーズ[PLTR]が四半期決算で、AIの旺盛な需要を背景に売上高とEPS(1株当たり純利益)が市場予想を上回り、ガイダンスも好調だったことを受け、24%近く上昇しS&P500構成銘柄で上昇率トップとなりました。一方、高級化粧品ブランドのエスティローダー[EL]は、第2四半期決算で売上高・EPSが市場予想を上回ったものの、第3四半期のガイダンスが振るわず、16.1%下落し、S&P500構成銘柄で最大の下落率となりました。

また、決済サービスのペイパル・ホールディングス[PYPL]も四半期決算で市場予想を上回る売上高・EPSを計上しましたが、同社のペイパル・アカウントを使ったブランド決済の伸びが期待を下回り、13.2%下落しました。

5.為替・金利等

米長期金利は前日から0.04%低い4.51%となりました。ドル円は、154円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は、昨日の米国市場が反発した流れを引継ぎ、上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか、日経平均は3万9000円台を回復し、上げ幅を広げられるかがポイントとなりそうです。個別銘柄では、トヨタ自動車(7203)が場中決算を公表する予定であり、決算発表前後の値動きに注目が集まります。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)