東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は、続伸で取引を終えました。前日の米国にて開かれたFOMC(米連邦公開市場委員会)での声明文で今後の利下げへの慎重姿勢が受け止められたことで、主要3指数が揃って下落し、日経平均は111円安の39,302円で寄り付きました。9時5分には193円安の39,221円をつけ本日の安値を更新しました。前半は一進一退で推移するも半ばにかけて反転し、前場は83円高の39,498円で取引を終えました。
後場は米株価指数先物が上昇したこと等から投資家心理の改善が見られ12時55分には186円高の39,600円まで上げ幅を拡大しました。その後は伸び悩み、14時過ぎには再び下落となるも最終的には99円高の39,513円をつけ続伸で取引を終えました。
新興市場では東証グロース250指数が3日ぶりに反落、0.5%安で取引を終えました。
2.個別銘柄等
アドバンテスト(6857)は3.2%高の8,792円をつけ、続伸となりました。29日に発表した第3四半期決算で、通期の当期純利益の見通しを前期比2.7倍の1,675億円とし、従来予想から455億円上方修正しました。一時は利益確定の売りに押される場面もみられましたが、良好な市場環境を評価する雰囲気から株価はポジティブに反応しました。
サイバーエージェント(4751)は一時7.9%高の1,224円をつけ昨年来高値を更新しました。29日に発表した第1四半期決算で、営業利益が前年同期比32.1%増の83億円となったうえ、当期純利益が50億円と前年同期比で黒字転換を達成したことが買い材料となりました。
日本取引所グループ(8697)は3.2%安の1,653円をつけ3日ぶりに反落して取引を終えました。正午に発表した第3四半期決算で、当期純利益は前年同期比0.8%増の469億円にとどまり、増益率が鈍化したことで決算の物足りなさを感じた投資家から売りが出ました。
カプコン(9697)は4.6%高の3,590円をつけ反発となりました。29日に発表した第3四半期決算で、当期純利益は前年同期比33.4%減の230億円となるも、通期では前期比6.1%増の460億円の増益見通しが据え置かれた安心感もあり買いが優勢となりました。
三井住友フィナンシャルグループ(8316)は0.4%安の3,884円をつけ、4日ぶりに反落で取引を終えました。29日に発表した第3四半期決算で、当期純利益は前年同期比43.3%増の1兆1,359億円と、この期としては初めて1兆円を超えるも足元では昨年来高値を更新しており、利益確定の売りに押されました。
パナソニック ホールディングス(6752)は3.1%高の1,570.5円をつけ続伸で取引を終えました。外資系証券が投資判断と目標株価を引き上げたことを手掛かりに買いが入りました。米国向けのEV向け電池生産等の先行きの事業環境がポジティブであるといった評価がされています。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は小幅に続伸となりました。今週振れの大きい半導体セクターは、ASMLホールディング[ASML]、アドバンテスト(6857)の良好な決算を受けて、いったんは落ち着きを取り戻した印象です。
本日も引け後に主要銘柄の決算発表が控えており、日本では武田薬品工業(4502)、NEC(6701)、オリエンタルランド(4661)、中外製薬(4519)、米国ではアップル[AAPL]、キャタピラー[CAT]、インテル[INTC]、ビザ[V]、マスターカード[MA]の決算発表が予定されています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)