東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は続落となりました。前日の米株安の流れを引き継ぎ、幅広い銘柄で売りが先行し、日経平均は58円安の39,317円で寄り付きました。朝方に一時小幅に上昇する場面もありましたが、すぐに下落に転じ、その後は軟調な推移が続きました。米国のトランプ次期政権による関税引き上げや対中強硬姿勢が日本経済に与える影響への懸念が投資家心理を圧迫し、下げ幅は一時562円まで拡大しました。前引けにかけてはやや戻し、422円安の38,953円で前引けとなりました。後場は367円安の39,008円で少し戻して取引を開始しましたが、心理的節目の39,000円を割り込むとさらに売りが優勢となり、下げ幅は一時775円まで拡大しました。引けにかけてはやや戻しましたが、結局654円安の38,721円で取引を終えました。新興市場では、東証グロース250指数が6日ぶりに反落となりました。
2.個別銘柄等
ソフトバンクグループ(9984)は、前日に2024年4-9月期の連結決算(国際会計基準)を発表し、最終損益が1兆53億円の黒字となったことを受けて一時4.6%高まで上昇しましたが、その後下落に転じ、最終的に2.9%安の9,137円で取引を終えました。
東京エレクトロン(8035)は、一時7%高まで上昇しました。前日に第2四半期の決算を発表し、業績予想の上方修正や年間配当の増額と自社株買いの実施も公表したことが好感されました。
シャープ(6753)は一時16.8%高まで急伸し、約1ヶ月ぶりに1000円台を回復しました。前日に発表した2024年4-9月期の決算で営業利益が4.79億円となり、4-9月期として2年ぶりに営業黒字を達成したことが好感されました。
ネクソン(3659)は、一時19%以上下落し、年初来安値を更新しました。前日に発表した第3四半期決算では、7-9月期の営業利益が前年同期比11.3%増の515億円となりましたが、市場予想を下回りました。また、今期の営業利益が減益となる見通しを示したことから、失望売りが広がりました。
その他、全体を押し上げる材料に欠けていることもあり、ファーストリテイリング(9983)は2.0%安の48,900円となり、日経平均マイナス寄与度でトップとなりました。また、寄り付きで上昇していたリクルートホールディングス(6098)は3.9%安となったほか、第一三共(4568)も4.7 %下落しました。その他にも、トヨタ自動車(7203)や日立製作所(6501)、ソニーグループ(6758)なども、為替は円安傾向にありますが、下落しています。
VIEW POINT: 明日への視点
米大統領選挙で共和党候補のトランプ前大統領が勝利した後、「トランプ・トレード」によって米国株は連日で主要株価指数が史上最高値を更新してきましたが、この上昇も一巡し、短期的な過熱感から売りが出やすい状況となっています。そうした中で、本日、米国では消費者物価指数(CPI)が発表される予定です。11月15日には米小売売上高の公表も控えており、これまで市場は期待先行で株価が動いてきましたが、今後はファンダメンタルデータをもとに米経済の実態を見極める局面に移行しつつあるでしょう。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)