【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 42,387.57  △273.17 (10/28)
NASDAQ: 18,567.19  △48.58 (10/28)

1.概況

米国市場は主要3指数が揃って上昇しました。イスラエルがイランに対する報復攻撃で石油や核関連施設を標的としなかったことを受け、原油価格が急落し、これらを安心材料にダウ平均は150ドル高で取引をスタートしました。その後、午前10時半発表の10月ダラス連銀製造業活動指数が-3.0と予想を上回り、ソフトランディングへの期待が高まる中で上げ幅を広げ、一時362ドル高まで上昇しました。

また、ダウ平均は前週末まで5日続落していたことから、短期間で大きく下げた後で、金融株やハイテク株に見直し買いが入りました。その後は、長期金利の上昇や今週控えるメガテックの決算や雇用統計を前に一進一退で推移し、結局273ドル高(+0.64%)の42,387ドルで取引を終え、6日ぶりに反発となりました。また、S&P500株価指数も、15ポイント高(+0.26%)の5,823ポイントと反発しました。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は、48ポイント高(+0.26%)の18,567ポイントで取引を終え、3日続伸しました。

2.経済指標等

10月の米ダラス連銀製造業活動指数は-3.0となり、市場予想の-9.4と前回結果の-9.0を上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は、全11業種のうち金融や素材、公益事業などの9業種が上げ、なかでも金融は1%超上昇しました。一方で、エネルギーと情報技術の2業種が下落しました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では23銘柄が上昇し、なかでもアナリストが目標株価を引き上げたことでスリーエム[MMM]は4.4%上昇しました。また、ゴールドマン・サックス[GS]が2%超上昇したほか、アメリカン・エキスプレス[AXP]やジェイピー・モルガン・チェース[JPM]、マクドナルド[MCD]などが1%以上上昇しました。一方で、7銘柄が下落し、なかでも従業員によるストライキが長期化するボーイング[BA]が増資を公表したことで、3%近く下落しました。そのほか、ハネウェル・インターナショナル[HON]やシスコシステムズ[CSCO]、アイビーエム[IBM]などが下落しました。

ダウ平均構成銘柄以外では、米大統領選の共和党候補のトランプ前大統領が過半数株式を保有するトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ[DJT]が、同氏によるニューヨーク市での選挙集会の後、21.6%上昇しました。そのほか、原油価格の急落からコスト減と利益率向上の期待で、クルーズ船を運営するカーニバル[CCL]が4.8%上昇しました。同様に航空会社のユナイテッド・エアラインズ・ホールディングス[UAL]やデルタ航空[DAL]も2%程度上昇しています。一方で、オランダの医療機器大手のロイヤル・フィリップス[PHG]は、中国での需要不振を受けて通期の売上高予想を下方修正したことで、16.0%下落しました。自動車メーカーのフォード・モーター[F]は取引終了後に四半期決算を発表しましたが、通期のEBIT見通しを引き下げたことが嫌気され、時間外取引で売られています。

5.為替・金利等

長期金利は0.04%高い4.28%となりました。ドル円は153円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高と円安を受けて、上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は、米金利の上昇基調を受け国内債券市場でも上昇傾向にある長期金利の推移がポイントとなりそうです。また、日経平均は23日まで11営業日連続で陰線を形成していましたが、本日以降陽線が増えてくるか注目が集まります。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)