東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は、反発となりました。前日比447円高の39,385円で寄り付いた日経平均は、前日の米国株式市場にて主要3指数が軒並み上昇したことを背景に、買い優勢で推移しました。

前場は、米国株式市場での大型ハイテク株の上昇を日本市場でも引き継ぎ、半導体関連株が上昇に寄与しました。11時過ぎに本日の安値である39,115円をつけるも、その後は持ち直し、前日比241円高の39,178円で前引けとなりました。

後場は堅調に推移し、中でも値嵩株を中心に上昇し、日経平均の反発に寄与しました。最終的には、340円高の39,277円で取引を終えています。

新興市場では、東証グロース250指数が反発、前日比1.0%高となりました。

2.個別銘柄等

セブン&アイ・ホールディングス(3382)は一時前日比262円(11.8%)高の2,492円50銭まで急騰、上場来高値を更新する場面がありました。カナダのアリマンタシォン・クシュタールの買収提案に関し、買収額を総額7兆円に上る規模(1株18.19ドル、円換算では約2,700円)に引き上げたとの報道を受け、思惑買いが集まりました。同社は直近でも子会社の一部売却やコンビニ事業へ経営資源を集中させるといった報道もあり、株価は堅調に推移していました。また、明日10日の15時から第2四半期の決算発表が予定されており、本件へのコメント等が注目されます。

ニトリホールディングス(9843)が前日比715円(3.4%)高の21,605円で取引を終えました。国内証券によって、同社の目標株価を従来の18,600円から22,400円まで引き上げるとの報道を受け、買いが集まりました。同社の想定為替レートは1ドル150円としており、直近の為替レートが想定よりも円高方向で推移していることから輸入コストの低下による利益改善を見込んだ買いが集まっています。

昨日の決算銘柄では、J.フロント リテイリング(3086)が前日比19円(1.2%)安の1,588円で続落となりました。2025年2月期、第2四半期の決算にて連結営業利益が前年同期比2倍となる393億円と発表するも、既に先月末時点で業績の上方修正を発表していたことから、新たな買い材料とはなりませんでした。通期の各種利益予想は据え置かれています。

キャンドゥ(2698)が前日比、一時、250円(7.3%)安の3,180円と大幅安となりました。2025年2月期の中間決算時点において、前年同期比から赤字幅を8,400万円拡大する、2億4,300万円の純損失であることを発表し、失望売りにつながりました。赤字拡大の原因は、デリバティブの評価損によるものとし、通期の当期純利益は据え置きの4,000万円で、会社予想では黒字転換が見込まれています。

ライトオン(7445)は一時前日比51円(16.1%)安の254円と年初来安値を更新する大幅続落となりました。2024年8月期の本決算にて、最終損益は121億円の赤字と前期から約100億円赤字幅を拡大したことが売りを呼びました。また総合アパレル大手のワールド(3612)が、同社をディスカウント価格でTOB(株式公開買い付け)予定であることも明らかになり、株価を押し下げました。なお、ワールドは前日比61円(2.9%)高の2,161円まで上昇しています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は、米国株式市場の株高を受けて0.9%高で反発しました。

10日午前3時頃、9月に実施された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公開されます。足元の市場では次回会合での利下げ幅が0.25%もしくは利下げなしといった意見も見られ、先月時点のものにはなるものの、FOMCメンバーがどのようなコメントを残しているかに注目です。
また、FOMCにて投票権のあるアトランタ連銀、サンフランシスコ連銀の総裁による講演も控えられており、政策金利関連のアップデートがあるかにも注目したいと思います。

なお、本日引け後にはイオン(8267)、サイゼリヤ(7581)、吉野家ホールディングス(9861)、エービーシー・マート(2670)などの決算発表が予定されています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)