75日移動平均線を大きく上回ったものの大幅反落

前回のコラムでは「75日移動平均線を上回って維持するようであれば、上昇トレンドを回復することが考えられ、4万円を目指す展開になることが期待される」と解説しました。その解説通り、75日移動平均線を上回った後に上げ幅が拡大する展開となり、9月27日には39,829円をつけ、4万円に接近するとともにこの日の高値で終える結果となりました。

ただ、9月27日は自民党総裁選挙があり、取引終了後に出た決選投票で予想外に石破氏が勝利して自民党総裁になったところ、石破氏の政策が不透明だとして、翌営業日の9月30日は大幅安となりました。日経平均は5日と75日移動平均線を下回るとともに、上向きの200日移動平均線に接近して終えているのが分かります。一方、10月1日には大幅反発して75日と5日移動平均線を上回って終え、上下動の激しい値動きを繰り返しています。

そんな中で今回の注目ポイントは、緩やかな上昇を続ける200日移動平均線上を維持できるかどうかになると思われます。なぜなら、長期の上昇トレンドを続ける200日移動平均線上を維持できずに割り込んで戻せなくなると、株価の水準次第では、今後200日移動平均線が下向きに変化してしまう可能性が出てくるからです。

一方で200日移動平均線上を維持するようなら、もち合いが続いたり、反発して再び4万円に接近したりすることが考えられ、今後の株価水準と移動平均線との位置関係には注意しておく必要があると思われます。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※ 移動平均線は5日、75日、200日を表示

モメンタムは逆行現象が発生中、0ライン割れに要注意

続いて、上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムについてです。モメンタムは10月1日の反発で上向きに変化していますが、モメンタムの移動平均線であるシグナルは下向きに変化しています。

こうした状況から、2本線が上向きに変化して上昇するかどうかが注目ポイントになりそうです。仮に2本線が上向きとなって上昇を続けるようなら、上昇の勢いが強まって再び4万円に接近したり、上回ったりすることが視野に入ります。その反面、モメンタムが上昇しても限定的である場合や、2本線ともに下向きに変化して上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを下回って戻せなくなるようなら、下落の勢いが強まるとともに200日移動平均線を割り込んで戻せなくなることが考えられます。こうした場合は注意が必要です。

75日移動平均線を一旦上抜けた日経平均株価ですが、10月に入ってからも波乱の展開が続いています。振り回されないようトレンドとモメンタムを確認して売買判断に役立てたいところです。