【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 40,563.06  △554.67 (8/15)
NASDAQ: 17,594.50  △401.90 (8/15)

1.概況

米国市場は7月の米小売売上高が市場予想を上回ったことや、ウォルマート[WMT]の好決算を受けて消費減速への懸念が後退し大幅続伸となりました。287ドル高でスタートしたダウ平均は寄り付きを安値に上げ幅を広げると取引終盤に582ドル高まで上昇し、結局554ドル高の40,563ドルで取引を終え3日続伸となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も401ポイント高の17,594ポイントと6日続伸となっています。

2.経済指標等

7月の米小売売上高は前月比1.0%増となり市場予想を上回りました。8月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数もマイナス4.7と前月から上昇し市場予想を上回りました。7月の米輸入物価指数も前月比0.1%上昇し市場予想を上回ったほか、米輸出物価指数も前月比0.7%上昇し市場予想を上回っています。先週一週間の米新規失業保険申請件数も前週比7000件減の22万7000件となり、悪化を見込んでいた市場予想に反して改善しました。一方で8月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数はマイナス7.0と前月から低下し市場予想も下回りました。7月の米鉱工業生産指数も前月比0.6%低下し市場予想を下回りました。設備稼働率も前月から0.6ポイント低下の77.8%となり市場予想を下回っています。また、8月の全米建設業協会(NAHB)住宅市場指数も39と前月から低下し市場予想を下回りました。6月の米企業在庫は前月比0.3%増となり市場予想と一致しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち不動産と公益事業を除く9業種が上げました。そのなかでも一般消費財・サービスが3%を超える上昇となったほか、情報技術も2%以上上げました。また、素材と資本財・サービスも1%を上回る上昇となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中26銘柄が上げました。そのなかでもシスコシステムズ[CSCO]が決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったことで7%近く上昇したほか、ウォルマートも決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったうえ、通期の売上高の見通しを上方修正したこともあり6%以上上げています。著名投資家が率いるファンドによる新規取得が判明したナイキ[NKE]も5%余り上昇し、ボーイング[BA]とアマゾン・ドット・コム[AMZN]も4%以上上げています。また、インテル[INTC]も4%近く上昇しました。一方で4銘柄が下げ、ベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]が2%以上下落しています。ダウ平均構成銘柄以外では半導体関連株が高く、半導体株ではマイクロン・テクノロジー[MU]が6%以上上げ、ブロードコム[AVGO]も5%を上回る上昇となりました。エヌビディア[NVDA]とアドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]も4%以上上げ、クアルコム[QCOM]とテキサス・インストゥルメンツ[TXN]、ウエスタン・デジタル[WDC]も3%を超える上昇となりました。半導体製造装置株ではアプライド・マテリアルズ[AMAT]とラム・リサーチ[LRCX]、KLA[KLAC]が揃って5%以上上げています。主力ハイテク株も堅調でテスラ[TSLA]が6%を超える上昇となり、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]も2%高となりました。さらに農機のディア[DE]が決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったことで6%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等

長期金利は市場予想を上回る米小売売上高を受けて0.08%高い3.91%となりました。ドル円では円安が進み149円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高と円安を受けて大きく上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の37,000円を超えて上げ幅を広げる展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)