私事で恐縮ですが、今日は、夏休みの最終日でした。こちらのコラムは、もちろん通常営業。気になったせいか、昨晩は、コラムを忘れてマネックスさんに叱られる夢で目が覚めました…夢でよかったです。
先週の混乱から一変、今週は大幅な上昇でスタートしました。この上昇が腰折れしたのが、本日午前中の「岸田首相、自民党総裁選不出馬」との報道でした。不確実性を嫌う株式市場は、報道後に若干ネガティブに反応しましたが、引けにかけて急速に値を戻しました。
首相が交代したら、株価は上昇するでしょうか。岸田政権下では、新NISAや資産運用立国等、市場にポジティブな変革が進みました。日銀の判断は政策からは独立していますが、在任期間中に一定の正常化が実現したのも事実です。次期内閣も、当面はこうした方向性を粛々と推進するのではと思います。
だとすると、日本市場のファンダメンタルズは悪くないでしょう。問題は、月初の株価の大暴落を生んだ背景の一つである米国経済と金利の動き、そして、それに伴うドル円の動きです。米国経済が(景気後退まではいかずとも)景気減速に向かうなら、いかに生成AI関連が強くても、米国株全体がこれまでほどの上値追いを続けるのは難しくなるでしょう。
近年、日本株の為替影響は高まっており、例えば、米国株が下落しても日本株が上昇するような場合には殆どのケースで円安が支えになっています。過去10年、米国株に逆行して日本株が上がった月は、82%の確率で円安に振れています(TOPIXとS&P500のデータ)。
もちろん、長期的には株価は企業収益の成長力に従うと思います。しかし、短期的には、米国の動向とこれに伴うドル円レートに振られやすい市場が続きそうです。