東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反発となりました。441円高の35,272円で寄り付いた日経平均は取引開始から10分弱で840円高の35,671円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと後場に入りマイナスに転じ14時過ぎには385円安の34,445円まで下落しました。しかし、その後下げ渋ると持ち直し結局193円高の35,025円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

リクルートホールディングス(6098)が一時7.5%高となりました。日本の人材派遣事業が好調だったうえ、円安の効果で米国の求人検索サイト事業が増収となったことなどもあり、第1四半期の純利益が前年同期比で8.5%増となったことから大幅高となりました。

同じく第1四半期決算を発表したテルモ(4543)やフジクラ(5803)も買われました。テルモは心臓血管事業が好調だったことや円安を受けて第1四半期の営業利益が前年同期比で50.6%増となったことから一時8.4%高となりました。

フジクラも生成AI(人工知能)の需要増でデータセンター向け製品が伸びると見込まれることなどにより2025年3月期の営業利益の見通しを700億円から890億円に引き上げたことで19.7%上昇しストップ高となりました。

上期決算を発表したINPEX(1605)や花王(4452)も買われました。INPEXは想定為替レートを円安方向に見直したことなどで2024年12月期の営業利益の見通しを1兆2100億円から1兆2490億円に上方修正したことや、自己株式を除く発行済み株式総数の5.17%にあたる6400万株、800億円を上限とした自社株買いを発表したことから一時5.8%高となりました。

花王も洗剤などでヒット商品が相次いだことや、原材料高の一服もあり1300億円とみていた2024年12月期の営業利益を1400億円に引き上げたことで一時5.8%高となっています。

一方でニコン(7731)が一時10.1%安となりました。半導体露光装置の据え付け時期が後にずれこむことなどにより上期の営業利益の見通しを110億円から70億円に下方修正したことで大幅安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は193円高となりました。米新規失業保険申請件数が市場予想以上に改善したことで景気悪化への過度な懸念感が後退し、昨日の米国市場が大幅反発となったことから買いが優勢となり、朝方には840円高となる場面もありました。

しかし、買い一巡後に伸び悩むとドル円が円高に振れたことで後場に入ってマイナスに転じ一時は380円以上下げる場面もありました。上昇から一時下落に転じ、日中の値幅が1,225円となったことからマーケットは引き続き不安定だといえそうで、来週はマーケットが落ち着きを取り戻すことができるかがポイントとなりそうです。

なお、決算発表が続いています。本日も引け後に三越伊勢丹ホールディングス(3099)や日本郵政グループ3社、楽天グループ(4755)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)