東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は急落し3日続落となりました。660円安の35,249円で寄り付いた日経平均は取引開始から20分弱で2,540円安の33,369円まで下落した後下げ渋ると前引けにかけて持ち直し1,662円安の34,247円で前場を終えました。

1,854円安の34,055円でスタートした後場の日経平均は一段安となり14時50分過ぎに4,753円安の31,156円まで下落すると結局4,451円安の31,458円で取引を終え年初来安値を更新しています。

こうしたなかTOPIXも310ポイント安の2,227ポイントとなり、1月4日の年初来安値(2,378ポイント)を更新したほか、新興市場も安く東証グロース市場250指数が15.8%安となり、こちらも先週末に続いて年初来安値を更新しています。

2.個別銘柄等

先週末の米国市場で大手金融株が大幅安となったことや、長期金利の低下を受けてメガバンクが売られました。三井住友フィナンシャルグループ(8316)が15.5%下落しストップ安となったほか、みずほフィナンシャルグループ(8411)が一時21.7%安、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)も一時20.8%安となり、みずほフィナンシャルグループは年初来安値を更新しています。

先週末の米国市場で半導体株が売られたことで半導体関連株も安く、東京エレクトロン(8035)とアドバンテスト(6857)、ディスコ(6146)、ソシオネクスト(6526)がストップ安となったうえ、SCREENホールディングス(7735)が一時13.4%安、レーザーテック(6920)も一時17.4%安となり、東京エレクトロンとSCREENホールディングス、レーザーテック、ソシオネクストは年初来安値を更新しています。

急速に進んだ円高を受けて自動車株も売られました。SUBARU(7270)が一時18.8%下落しストップ安となり、トヨタ(7203)が一時15.6%安、日産(7201)が一時14.7%安、ホンダ(7267)が一時18.6%安、マツダ(7261)も一時18.7%安となり、揃って年初来安値を更新しています。

一方で円高を受けてニトリホールディングス(9843)が一時4.3%高となりました。海外の工場で生産した製品を輸入・販売していることから円高による採算改善を期待した買いが入りました。しかし、相場の急落を受けて引けは0.6%安で取引を終えています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は4,451円安となりました。7月の米雇用統計の結果を受けて景気減速を警戒した売りが出て先週末の米国市場が大幅続落となったことに加えて、ドル円が一時141円台を付けるなど急速に円高が進んだこともあって急落となり、1月4日に付けた年初来安値(33,288円)を更新しました。

売りが売りを呼ぶ展開で下げ幅は、1987年10月20日の3,836円を抜いて過去最大となり、下落率も12.4%と歴代2位となっています。急落が続いたことで25日移動平均線(39,510円)との下方乖離が20.4%まで広がり短期的には売られ過ぎとなっています。

しかし、それでも後場に入り下げ幅を大きく広げるなど下げ止まる気配がみられないことから押し目買いも入りにくく、一段安への警戒感がさらに強まりそうです。

なお、決算発表が続いています。本日の引け後にJFEホールディングス(5411)や伊藤忠商事(8001)、オリックス(8591)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の23時には7月の米ISM非製造業景況感指数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)